ウィーン物語 ジェミニ・YとS

映画『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』の詳細解説

1982年に公開された東宝製作の映画『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』は、河崎義祐が監督を務め、田原俊彦が主演した作品です。この映画は、田原俊彦主演の第二回作品であり、「たのきんスーパーヒットシリーズ」の第5弾として制作されました。

ストーリー

物語の舞台はオーストリアのウィーン。音楽留学生としてウィーンに滞在する若草俊一（田原俊彦）は、親友の入江豊（野村義男）と共に異国の地で青春を謳歌していました。俊一は酒場でアルバイトをしながら音楽の腕を磨き、豊はケーキ職人として修業に励む日々を送っています。

一方、ヨーロッパを一人旅していた柴田隼人（近藤真彦）は、姉の京子（長谷直美）を頼ってウィーンへ。京子の紹介で、名門ローテンベルグ家の一人息子、ヨハネス・ローテンベルグ（田原俊彦・二役）の日本語家庭教師を務めることになります。ヨハネスは日本人とのハーフで、その生い立ちには複雑な事情が隠されていました。

ある日、俊一が働く酒場に、隼人とヨハネス、そしてヨハネスのガールフレンドであるカタリーナ（ヒロコ・グレース）が訪れます。そこで俊一は、自分と瓜二つのヨハネスの姿を目撃し、衝撃を受けます。その直後、ヨハネスは何者かに連れ去られてしまいます。一方、隼人とカタリーナも、俊一とヨハネスがそっくりであることに驚愕。さらに、店の帰り道で俊一が何者かに襲われるという事件が発生します。

意識を取り戻した俊一は、自分がローテンベルグ家にいることに気づきます。執事のミスター・ブン（山村聡）は、俊一にローテンベルグ家の家宝であるツィターを探してほしいと依頼します。それは、ヨハネスがローテンベルグ家を継承するための儀式に不可欠なものでした。

18年前、ヨハネスの母である綾子（檀ふみ）は、夫の死後、義妹のソフィア（マリアーネ・カリックス）に追われるようにして、ツィターと共に日本へ帰国していました。俊一は日本で綾子の足跡を辿り、鎌倉で哀しい最期を遂げていたことを知ります。そして、ツィターは鎌倉の寺に保管されていることを突き止めました。さらに、ツィターの中から一枚の写真が見つかり、俊一とヨハネスが双子の兄弟であることが判明します。

綾子は、18年前に俊一だけを連れて日本に帰国していたのです。再びウィーンに戻った俊一はツィターを豊に預けますが、豊は何者かに襲われ、ツィターは奪われてしまいます。その頃、ヨハネスとカタリーナはクロイゼンシュタインの古城に監禁されていました。

俊一、隼人、豊は力を合わせてツィターを取り戻すことに成功しますが、ミスター・ブンによって俊一は監禁されてしまいます。ミスター・ブンはクロイゼンシュタイン城へ向かい、隼人、豊と共にヨハネスとカタリーナを救出します。

ローテンベルグ家継承の儀式の日、俊一はヨハネスになりすまして式典に出席します。そこへヨハネス、カタリーナ、隼人、豊が駆けつけ、兄弟は18年ぶりの再会を果たします。しかし、その時、銃声が響き渡ります。事件はローテンベルグ家を乗っ取ろうとするソフィアの陰謀でした。幸いにも俊一の傷は浅く、事なきを得ます。すべての騒動が解決し、物語は幕を閉じます。

キャスト

若草俊一 / ヨハネス・ローテンベルグ：田原俊彦（二役）
入江豊：野村義男
柴田隼人：近藤真彦
カタリーナ：ヒロコ・グレース
文左衛門（ミスター・ブン）：山村聡
マザー政子：津島恵子
沢村綾子：檀ふみ
入江由美：生田智子
柴田京子：長谷直美
ソフィア：マリアーネ・カリックス
マイスター：トーマス・ライムス
その他、個性豊かな俳優陣が脇を固めています。

スタッフ

製作：田中友幸、ジャニー喜多川
原作：高橋玄洋
脚本：高橋玄洋、藤公之介、河崎義祐
音楽：大谷和夫
撮影：上田正治
美術：樋口幸男
録音：田中信行
照明：小島正七
編集：小川信夫
監督：河崎義祐

主題歌・挿入歌

主題歌：田原俊彦「ラブ・シュプール」
挿入歌：田原俊彦「双子座（ジェミニ）の恋人たち」、「頬に風を感じて」

『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』は、豪華キャストと美しい音楽、そしてスリリングなストーリー展開が魅力の作品です。ウィーンと日本を舞台に繰り広げられる、愛と出生の秘密をめぐる物語は、観る者を魅了し、感動と興奮を与えてくれるでしょう。

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