津島恵子

津島恵子の生涯

津島恵子（つしま けいこ、1926年2月7日 - 2012年8月1日）は、日本の女優および舞踊家です。彼女の本名は森直子で、旧姓は倉成です。津島は長崎県下県郡厳原町（現在の対馬市）で生まれ、三姉妹の中で二女として育ちました。4歳の時に家族と共に東京に転居し、自由ヶ丘学園幼稚園、トモエ学園小学校と進んだ後、新宿区立四谷第三小学校に転入。最終的に、東洋音楽学校で学びましたが、中途で退学しました。

戦争と舞踊の道

昭和20年（1945年）、彼女は交易営団で秘書として働いた後、飛騨高山に疎開し、現地で戦争を終えることになりました。戦後は、弦巻町で自給自足の生活を送りつつ、舞踊の勉強を続け、小学校から通った自由ヶ丘幼稚園では宮操子に教わり、後に江口隆哉・宮夫妻主宰のノイエタンツ研究所でモダンダンスを学びました。舞踊の地方公演にも参加し、まもなく松竹の大船撮影所で舞踊教師としてのキャリアを始めます。

女優デビューと成功

1947年、松竹作品『安城家の舞踏会』で女優デビューを果たし、その後、松竹の専属として多くの映画に出演します。特に1948年には、美空ひばり主演の『悲しき口笛』に登場し、1950年には『帰郷』に出演しました。彼女は1951年の『乾杯! 若旦那』以降、鶴田浩二との共演で人気を博し、続く1953年に公開された今井正監督の『ひめゆりの塔』では他社映画に初めて出演し、特に代表作の一つとされています。

フリーの女優としての活躍

1953年に松竹を退社しフリーとなった津島は、黒澤明監督作品『七人の侍』で志乃役を演じ、その演技力が高く評価されました。また、1955年には自身が振り付けを担当した『たそがれ酒場』でも存在感を示しました。私生活では1957年に東宝副社長の子息と結婚し、しばらく映画界から距離を置きますが、1970年代に入るとテレビドラマでの活動を再開します。

晩年とその影響

津島恵子は、2002年のNHK連続テレビ小説『さくら』を最後に女優業を休止しました。2007年に認知症の兆候が見られ、2012年には胃がんのため86歳で逝去しました。津島は生涯を通じて多くの名作に出演し、日本映画における女優の草分け的存在として多くの人々の記憶に残ります。

代表作

津島が出演した映画には、次のような作品があります：

• - 『安城家の舞踏会』（1947年）
• - 『悲しき口笛』（1948年）
• - 『七人の侍』（1954年）
• - 『ひめゆりの塔』（1953年）

彼女の作品は、いずれも彼女の名演によって輝いており、観客の心に深く刻まれています。多彩な役柄を演じ分けた津島の演技は、今なお多くのファンに愛されつづけています。

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