ウェスターン・ヒット・10

ウェスターン・ヒット・10

『ウェスターン・ヒット・10』は、日本のカントリーミュージック界で活躍した歌手、トミー藤山が発表したスタジオ・アルバムです。

この作品は、1963年7月に日本のレコード会社である日本コロムビアより世に送り出されました。当時のカントリー・ミュージックのヒット曲を中心に構成されたと推測される全10曲が収録されています。

本作の制作において特筆すべき点は、その演奏陣にあります。バックを務めているのは、日本のカントリー・ミュージックシーンで広く知られるバンド、ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズです。しかしながら、このアルバムがリリースされた際の契約上の制約や都合により、彼らは本来のバンド名である「マウンテン・プレイボーイズ」ではなく、「コロムビア・ワゴン・ボーイズ」という別の名義でクレジットされています。これは、レコード会社の専属契約などの事情が関係していると考えられます。異なる名義を使用しつつも、彼らがトミー藤山の歌唱を確かな演奏力で支えている点は、アルバムの重要な要素と言えるでしょう。

アルバムには、合計10曲が収録されており、当時のLPレコードのフォーマットに従い、Side 1とSide 2にそれぞれ5曲ずつ配されています。収録曲は、カントリーミュージックのスタンダードや、当時の流行曲が中心となっているようです。それぞれのサイドに収録された楽曲は以下の通りです。

収録曲

Side 1

愛さずにはいられない
馬鹿な私
新聞売りのジミー少年
涙のワルツ
西部へ帰ろう

Side 2

いつわりの心
二枚目さん
たそがれのワルツ
ユー・オール・カム
ジャンバラヤ

これらの楽曲を通じて、トミー藤山は情感豊かな歌声を披露し、日本のカントリーミュージックファンに届けました。バックの「コロムビア・ワゴン・ボーイズ」による安定した、あるいは魅力的な演奏が、それぞれの楽曲の世界観を構築しています。

本作のレコーディングに参加した主なメンバー、すなわちパーソネルは以下の通りです。

パーソネル

トミー藤山（歌唱）
コロムビア・ワゴン・ボーイズ（演奏）

このアルバムに関する詳細な情報は、主に当時のレコードに付属していたライナーノーツに基づいています。ライナーノーツには、アルバムの背景や各楽曲、参加メンバーについての解説が含まれており、本作を理解する上で貴重な資料となっています。

『ウェスターン・ヒット・10』は、トミー藤山のキャリアにおける一つの節目となる作品であり、当時の日本のカントリー・ミュージックシーンの一端を示す資料としても価値のあるアルバムと言えるでしょう。

もう一度検索