ウェストポイント (ニューヨーク州)

ウェストポイント（West Point）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州オレンジ郡にある地域です。同地にはアメリカ陸軍士官学校があり、この学校の存在がウェストポイントの街の性格を大きく規定しています。そのため、ウェストポイントは単なる都市というよりも、アメリカ陸軍士官学校を中心とした基地と捉えることが適切でしょう。

ウェストポイントは、1778年、アメリカ独立戦争中に要塞として建設されました。戦略的に重要なハドソン川の西岸に位置するため、当時から軍事拠点として大きな役割を果たしていました。歴史上、1780年にはベネディクト・アーノルド将軍によるイギリス軍への裏切り工作未遂事件が起きるなど、波乱に満ちた歴史を持っています。

スポーツ史においても、ウェストポイントは重要な位置を占めています。1890年11月29日、この地で初めて軍隊同士によるアメリカンフットボールの試合が行われ、陸軍と海軍が激突しました。この試合は、海軍が24対0で勝利しました。この出来事は、アメリカンフットボールの歴史において重要なマイルストーンとなっています。

地理的には、ウェストポイントは北緯41度22分15秒、西経74度2分34秒に位置し、ハドソン川の西岸に広がっています。アメリカ合衆国統計局によると、ウェストポイントの総面積は64.9平方キロメートルで、そのうち63.0平方キロメートルが陸地、1.9平方キロメートルが水域です。

人口統計は、ウェストポイントの軍事施設としての性格を如実に反映しています。一般的な都市とは異なり、高齢者の割合が非常に低く、平均年齢は若く、男性の割合が女性よりも非常に高いという特徴があります。これは、陸軍士官学校に所属する多くの兵士とその家族が居住しているためです。

2000年の国勢調査によると、ウェストポイントの人口は7,138人、世帯数は996世帯、家族数は939家族でした。人口密度は113.3人/平方キロメートルです。住宅数は1,044戸で、その平均的な密度は16.6戸/平方キロメートルでした。人種構成は白人が82.31%、アフリカ系アメリカ人が9.09%、ネイティブアメリカンが0.50%、アジア系が3.35%、太平洋諸島系が0.15%、その他の人種が1.64%、混血が2.96%でした。ヒスパニックまたはラテン系は6.56%を占めています。

世帯の構成としては、18歳未満の子供と生活する世帯が75.1%、夫婦世帯が87.8%、未婚の女性が世帯主である世帯が4.8%、家族以外の住人と同居する世帯が5.7%、独身世帯が5.4%を占めています。65歳以上の独居世帯は0.0%でした。世帯当たりの平均人数は3.53人、家族当たりの平均人数は3.66人です。

年齢別人口構成は、18歳未満が21.9%、18歳～24歳が51.2%、25歳～44歳が23.0%、45歳～64歳が3.8%、65歳以上が0.1%となっています。中央値年齢は21歳と非常に若いです。男女比は、女性100人に対し男性が207.3人、18歳以上の女性100人に対し男性が259.7人となっています。

世帯収入の中央値は56,516米ドル、家族収入の中央値は56,364米ドルです。男性の平均収入は7,302米ドル、女性の平均収入は10,741米ドルです。一人当たり収入は13,158米ドルです。貧困率は、人口全体で2.0%、家族全体で2.0%です。18歳未満の貧困率は2.6%、65歳以上の貧困率は0.0%です。

ウェストポイントは、歴史、軍事、スポーツといった様々な側面から、アメリカ合衆国を代表する地域の一つと言えるでしょう。その独特の人口構成や歴史的背景は、他の地域とは一線を画す魅力を備えています。

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