ウェディング・アルバム

ウェディング・アルバムについて

『ウェディング・アルバム』は、1969年にジョン・レノンとオノ・ヨーコの名義でリリースされたアルバムで、彼らにとっての3枚目の作品です。このアルバムは、前衛音楽の枠に属し、二人の私的な結婚をうかがわせるアートとして特別な位置を占めています。

レノンとオノが出会ったのは1966年11月、ロンドンのインディカ・ギャラリーでのことでした。その後、二人はそれぞれの配偶者と離婚した後、1969年3月20日にジブラルタルで結婚を果たしました。このアルバムは、彼らの愛を音楽で表現したものであり、心の内をさらけ出す作品となっています。

アルバムはアナログレコードとして発表され、内容は二つの長大なトラックから成ります。A面には「ジョンとヨーコ」が収録されており、レノンとオノが23分以上にわたって互いに名前を呼び合うという、非常にユニークな実験音楽が展開されています。このトラックは、二人の愛の象徴とも言えるもので、聴く者にその情熱を直接伝える試みが感じられます。

B面には「アムステルダム1969」が収められており、これは1969年3月23日から31日にかけて行われたベッド・インの様子を記録しています。このイベントは、平和に対するメッセージを発信するために行われたもので、記者会見と即興演奏が収められています。このトラックもまた、二人の意図や精神を体現するものであり、当時の社会情勢に対するメッセージを強く抱えています。

『ウェディング・アルバム』は、アップル・レコードからボックス仕様で発売され、インスタント写真の複製やブックレット、そしてビニールカバーが同封されていました。その後の再発CDも登場し、通常の仕様でライコディスクから発売されました。また、日本ではビデオアーツ・ミュージックから、オリジナル・ボックスをCDサイズに縮小した限定版も提供されています。

収録曲

Side 1

• - 「ジョンとヨーコ」 (John and Yoko) – 22:41

Side 2

• - 「アムステルダム1969」 (Amsterdam) – 24:54

CDボーナス・トラック

• - 「誰が風を見た」 (Who Has Seen the Wind?) (Yoko Ono) – 2:03
• - 「ほら、聞いてごらん、雪が降っているよ」 (Listen, The Snow is Falling) – 3:22
• - 「ドント・ウォーリー・キョーコ」 (Don't Worry Kyoko) – 2:14

このアルバムは、レノンとオノの個人的な物語を音楽として具現化したもので、一方では彼らの結婚生活の始まりを象徴し、もう一方では音楽的実験が行われていた時代を想起させます。彼らのプライベートな瞬間が、アートと音楽を通じて永続的なものとなったこの作品は、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

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