アップル・レコード

アップル・レコードの概要

アップル・レコードは、1968年にビートルズが創設した英国の音楽レーベルであり、同グループの母体となる会社、アップル・コアのプロジェクトの一環として設立されました。このレーベルは、アップル・コアが取り組んだ五つの主要プロジェクト（エレクトロニクス、映画、出版、レコード、小売業）の中で、特に成功を収めたものとなっています。以前、ビートルズはアメリカではキャピトル、イギリスではパーロフォン（現在はEMIの一部）と契約していましたが、アップル・レコードの設立後、EMIとキャピトルは75年までアップル・レコードの音源を販売することに合意。ここでEMIは、ビートルズの音楽素材に対する所有権を保持しつつ、アップル・コアには彼らが契約したアーティストの権利と、ビデオクリップや映画の権利が与えられました。

レーベル名の由来とリンゴマーク

アップル・レコードという名前の由来には、さまざまな説があります。一般的に、英国の子供たちが初めて覚える英語の文字が「A」であることから、この名前が選ばれたとも言われています。また、アダムとイヴの物語との関連や、ビートルズのメンバーであるリンゴ・スターの名前の一部、さらには日本語の「林檎」に絡めた説も存在します。

また、レコードレーベルの象徴であるリンゴマークは、ポール・マッカートニーが所有するベルギーの画家ルネ・マグリットの青いリンゴの作品からインスパイアを受けたものです。このリンゴはグラニースミス・アップルという品種で、一般的には横長の楕円形をしています。このリンゴマークは多くのレコードジャケットに使用され、「Apple RECORDS」と書かれたデザインも存在しました。

主要アーティスト

アップル・レコードでリリースされた作品には、ビートルズに関連するアーティストが多数おり、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターなどが名を連ねています。さらに、プラスティック・オノ・バンドやウイングス、バッドフィンガー、メリー・ホプキン、ビリー・プレストン、ドリス・トロイなども含まれます。

他にもジャッキー・ロマックス、モダン・ジャズ・カルテット、ラヴィ・シャンカール、エレファンツ・メモリーなど、幅広いアーティストがアップル・レコードからリリースを行いました。特に、初期のリリースにはビートルズの影響が色濃く反映されており、その音楽スタイルは多くのファンに支持され続けています。

その他のリリース

さらに、アップル・レコードは1963年にアメリカのフィレス・レコードからリリースされた「フィル・スペクターズ・クリスマス・アルバム」のリイシューを行ったことでも知られています。また、1974年にニルソン主演、リンゴ・スターが監督を務めた映画「Son of Dracula」のサウンドトラックは「Rapple」というレーベルでリリースされたこともあります。この際、日本ではRCAレーベルとして流通しましたが、レーベル面では「Rapple」が使用されるという独自のプロモーションが行われました。

結語

アップル・レコードは、ビートルズによって設立された音楽レーベルで、数々のアーティストと名盤を世に送り出しました。その成功は、ビートルズ自身だけでなく、多くの新しい才能にも道を開くものでした。音楽史において重要な役割を果たしたこのレーベルは、現在も多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索