ウェディング・バンケット

ウェディング・バンケット (囍宴)

『ウェディング・バンケット』は、1993年に製作された台湾・アメリカ合作映画で、アン・リー監督による「父親三部作」の第2作目として知られています。この作品は、第43回ベルリン国際映画祭において最高賞である金熊賞を受賞し、また台湾のアカデミー賞にあたる金馬奨でも作品、監督、脚本、助演男優（ラン・シャン）、助演女優（グァ・アーレイ）の5部門で受賞するという偉業を成し遂げました。アメリカでの映画公開は初めはわずか7館から始まりましたが、その後人気が高まり最大113館での上映に至りました。また、1993年度のゴールデングローブ賞とアカデミー賞において外国語映画賞へノミネートされたこともあり、国際的にも評価の高い作品です。日本では1993年にシネマスクエアとうきゅうで上映されました。

ストーリー

物語は、台湾出身の青年ウェイトンがニューヨーク・マンハッタンでアメリカ人の恋人サイモンとともに暮らしているところから始まります。ウェイトンは、台湾に住む両親には自分がゲイであることを告げることができずに悩んでいました。すると、彼の両親は彼に結婚しろと執拗に要求してきます。この状況に直面したウェイトンは、友人のウェイウェイと共謀し、偽装結婚を行うことを決めます。これは、父母を安心させるためであり、さらにウェイウェイがアメリカに滞在する権利を得るためでもありました。

二人は結婚式を役所で簡素に済ませるつもりでしたが、ウェイトンの両親がアメリカにやって来て、伝統的な台湾式の盛大な結婚式を強く希望するのです。この顛末がウェイトンの心の葛藤や、友情、愛、家族との関係性を描いていく中で、彼は自分のアイデンティティを見つめ直すことになります。

キャスト

映画に登場する主要なキャストは以下の通りです。ウェイトン役にはウィンストン・チャオが、恋人サイモン役にはミッチェル・リヒテンシュタインが、それぞれキャスティングされています。また、ウェイウェイ役にはメイ・チン、ウェイトンの父役にはラン・シャン、母役にはグァ・アーレイが配されています。日本語吹替版では、辻谷耕史（ウェイトン）、森功至（サイモン）、島本須美（ウェイウェイ）、川久保潔（父）、池田昌子（母）が声を担当しています。

この映画は、家族の期待や文化の衝突、そして自己のアイデンティティの獲得といったテーマを優れたストーリーテリングで描いており、多くの人々に感動を与える作品となっています。また、これを元にした小説も出版されており、物語への理解を深める材料ともなっています。

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