ウェールズの地方行政区画

ウェールズの地方行政区分は、1996年4月1日の再編により、22の単一行政体へと大きく変わりました。これらは、9つの州、3つの市（正確にはシティ・アンド・カウンティ）、そして10の州区から構成されており、それぞれが対等な立場にあることが特徴です。

この再編以前の行政区分は複雑で、歴史的な経緯を反映した複数の階層構造を持っていました。しかし、1996年の改革によって、よりシンプルで効率的な行政システムが構築されたのです。単一行政体化により、意思決定プロセスが迅速化され、地域住民へのサービス提供も改善されました。

それぞれの行政体の概要は以下のとおりです。ウェールズ語名と英語名を併記し、より理解を深めて頂けるよう努めました。

州（County）

モンマスシャー州（Sir Fynwy）: ウェールズ南東部に位置し、イングランドとの国境に接する歴史ある州です。
カーマーゼンシャー州（Sir Gaerfyrddin）: ウェールズ南西部の州で、豊かな自然と歴史的な建造物が多く残されています。
ケレディジョン州（Sir Ceredigion）: 美しい海岸線と内陸部の丘陵地帯が広がる、ウェールズ西部の州です。
ポーイス州（Powys）: ウェールズ中央部に位置する広大な州で、自然豊かな景観が魅力です。
フリントシャー州（Sir y Fflint）: ウェールズ北東部、イングランドとの国境に位置する州です。
デンビーシャー州（Sir Ddinbych）: ウェールズ北部に位置し、歴史的な城や町並みが残されています。

市（City and County）

ニューポート市（Casnewydd）: ウェールズ南東部、ウスク川河口に位置する重要な港湾都市です。
カーディフ市（Caerdydd）: ウェールズの首都であり、ウェールズ最大の都市です。
スウォンジー市（Abertawe）: ウェールズ南西部の主要都市であり、港湾都市として栄えています。

州区（County Borough）

マーサー・ティドビル州区（Merthyr Tudful）: 鉱山業の歴史を持つ都市です。
ケアフィリ州区（Caerffili）: 美しいカントリーサイドと歴史的な城が魅力の地域です。
ブライナイ・グエント州区（Blaenau Gwent）: 鉱山業が盛んだった地域で、近年は観光業も発展しています。
トルヴァエン州区（Tor-faen）: 穏やかな田園風景が広がる地域です。
ヴェール・オブ・グラモーガン州区（Bro Morgannwg）: カーディフの南に位置し、美しい海岸線を持つ地域です。
ブリジェンド州区（Pen-y-bont ar Ogwr）: ブリジェンドという町を中心とした地域です。
ロンザ・カノン・タフ州区（Rhondda Cynon Tâf）: 渓谷地帯に位置し、独特の文化と歴史を持つ地域です。
ニース・ポート・タルボット州区（Castell-nedd Port Talbot）: ポート・タルボットという港湾都市を中心とした地域です。
レクサム州区（Wrecsam）: ウェールズ北東部、イングランドとの国境に近い地域です。
コンウィ州区（Conwy）: 美しい海岸線と歴史的な建造物が魅力の地域です。
グウィネズ州（Gwynedd）: スノードニア国立公園を含む、自然豊かな地域です。
アングルシー州（Ynys Môn）: アングルシー島全域を管轄する地域です。
ペンブルックシャー州（Sir Benfro）: ウェールズ南西部の、海岸線と半島が特徴的な地域です。

これらの行政体の再編は、ウェールズの地方行政の近代化と効率化に大きく貢献しました。それぞれの行政体が独自の特性を持ち、ウェールズ全体の多様性を反映しています。歴史的な背景や地理的な特徴を理解することで、ウェールズの地方行政の仕組みをより深く理解することができるでしょう。

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