ウェールズ公国

ウェールズ公国とは

ウェールズ公国（ウェールズ語: Tywysogaeth Cymru、英語: Principality of Wales）は、現在のイギリスのウェールズ地方にかつて存在した国です。1216年のアベルダビ会議で成立したとされ、1283年に事実上滅亡しましたが、1542年までイングランドへの統合が進められました。

ウェールズ公国の歴史

ウェールズ公国の始まりは、グウィネズ王国のルウェリン大公が1216年のアベルダビ会議でウェールズの支配権を確立したことに遡ります。1218年には、イングランド王ヘンリー3世とのウスター条約で、その支配が認められました。

1240年、ルウェリン大公の後を継いだダフィズ・アプ・ルウェリンは、1244年にバチカンから一時的にウェールズ大公の称号を認められました。1246年には、ルウェリン・アプ・グリフィズがウェールズの多くの地域を支配下に置き、1258年には諸侯にウェールズ大公として認めさせました。

1267年、モンゴメリー条約により、イングランド王ヘンリー3世はルウェリン・アプ・グリフィズのウェールズ大公の称号を承認し、ウェールズ諸侯は彼の支配下に入りました。しかし、イングランド王国への宗主権を認め、貢納金を支払う必要がありました。

これはグウィネズ王国の独立の終焉でもありました。その後、イングランド王国との対立が続き、1282年にルウェリン・アプ・グリフィズは処刑されました。ダフィズ・アプ・グリフィズがウェールズ大公を名乗り抵抗を続けましたが、1283年に処刑され、ウェールズ公国は事実上滅亡しました。

その後、イングランド王国の支配下に入り、1535年から1542年にかけてウェールズ法が制定され、1542年にイングランド王国の法体系に完全に組み込まれ、ウェールズ公国は名実ともに消滅しました。

プリンス・オブ・ウェールズの称号

1301年、イングランド王エドワード1世が、後のエドワード2世となる嫡男にプリンス・オブ・ウェールズの称号を与えたことから、この称号はイングランド王位の法定推定相続人の称号となり、後のグレートブリテン王国、そして現在のイギリス王室へと受け継がれています。

参考文献

BBCウェールズ: History, The emergence of the principality of Wales
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Morris, John E. (1996). The Welsh Wars of Edward I. Conshohocken, PA.: Combined Books. ISBN 0-938289-67-5
Lloyd, J.E (2004). A History of Wales; From the Norman Invasion to the Edwardian Conquest. New York: Barnes & Noble Publishing, Inc.. ISBN 0-7607-5241-9
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Warner, Philip (1997). Famous Welsh Battles. New York: Barnes & Noble Publishing, Inc.. ISBN 0-7607-0466-X

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