ウエストレイク・レコーディング・スタジオ

ウエストレイク・レコーディング・スタジオ：音楽史を彩る伝説の場所

ウエストレイク・レコーディング・スタジオは、ウェスト・ハリウッドに位置する世界的に有名な録音スタジオです。数多くの音楽史に残る名盤がここで生まれ、現在も多くのアーティストに利用されています。

歴史

1970年代、トム・ヒドレーによってウエストレイク・オーディオとして設立されました。「音響的な基準を満たし、相互に交換可能なレコーディング・ルームを備えた」スタジオとして、当時から注目を集めました。音響設計においては、レコーディング・ポジションでの均等かつフラットな音域レスポンスと、残響音の遅延時間の調整に重点が置かれました。この革新的なアプローチは多くの支持を集め、1970年代後半には「ウエストレイク・スタイル」を取り入れるスタジオが多数現れました。

著名な利用アーティスト

マイケル・ジャクソン、メン・アット・ワーク、ジョシュ・グローバン、クインシー・ジョーンズ、アラニス・モリセット、デイヴ・マシューズ・バンド、マドンナ、リアーナ、アリーヤ、ブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、ナイン・インチ・ネイルズ、ジャスティン・ビーバーなど、ジャンルを超えた数多くのトップアーティストがウエストレイク・スタジオを利用しています。また、数多くの映画やテレビ番組の音声収録も行われています。

録音スタジオの構成

ウエストレイク・スタジオには、フルサイズのライブルームが4つ、プロダクション・ルームが2つ、ミキシング・ルームが1つの計7つの録音スタジオがあります。スタジオAとBはビバリー通りに面し、スタジオC、D、E、プロダクション・ルーム1と2はサンタ・モニカ通りに面しています。

スタジオA

ウエストレイクで最も歴史のあるレコーディング・ルームの一つです。マイケル・ジャクソンの歴史的アルバム『スリラー』がここでレコーディングされました。60チャンネルのニーヴ・V3コンソールと、ピアノ用アイソレーション・ルームを含む110平方メートルのトラッキング・ルームが特徴です。

スタジオB

72チャンネルのソリッド・ステート・ロジック 4072Gコンソールと、豊富なアウトボード類が特徴のフルサイズ・スタジオです。46平方メートルのトラッキング・ルームと6.0平方メートルのアイソレーション・ルームを備えています。

スタジオC

72チャンネルのソリッド・ステート・ロジック 9072Jコンソールと、豊富なアウトボード類が特徴のフルサイズ・スタジオです。93平方メートルのトラッキング・ルームと広いプライベート・ラウンジを有しています。

スタジオD

ウエストレイク・スタジオ最大のレコーディング・ルームです。72チャンネルのニーヴ・VRコンソールと、豊富なアウトボード類が特徴です。104平方メートルのメイン・トラッキング・エリア、19平方メートルのピアノ用アイソレーション・ルーム、54平方メートルのアイソレーション・ルームを備えています。プライベート・エントランスと、トラッキング・ルームを見渡せるロフトを含む3つのラウンジも利用できます。

スタジオE

ソリッド・ステート・ロジック 9072Jをメイン・コンソールとしたミキシング・ルームです。ウエストレイク・スタジオ内で最大数のアウトボードが設置されています。4.8平方メートルのボーカル・ブースとプライベート・ラウンジがあります。

プロダクション・ルーム1&2

オーバーダブ、作曲、ミキシング用にデザインされた2つのプロダクション・ルームです。ソリッド・ステート・ロジック AWS 900+が備えられており、ボーカル、ギター、ベースなどの小型楽器のレコーディングに使用できる小規模なトラッキング・ルームもあります。

ウエストレイク・レコーディング・スタジオは、その歴史、音響へのこだわり、そして数々の名作を生み出した実績から、音楽業界において特別な存在であり続けています。

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