ソリッド・ステート・ロジック

Solid State Logic (SSL) について

Solid State Logic（SSL）は、イギリスのオックスフォードに本社を置く、プロフェッショナル音響機器メーカーです。ミキシング・コンソール、オーディオ・インターフェース、DAW用ソフトウェアなどを開発・製造しており、世界中のレコーディングスタジオや放送局で広く使用されています。

概要

SSLは元々、パイプオルガンの制御装置開発からスタートしました。社名は、ロジック回路制御に半導体（ソリッド・ステート）を使用したことに由来します。現在では、世界最大級のミキシング・コンソールメーカーとして知られ、その製品はBBC、NHK、ABC、NBCといった主要放送局でも採用されています。

歴史

1969年：オックスフォードのサイエンス・パークに設立
1977年：SL 4000 Bコンソール発表。独自のスタジオ・コンピューター・システムを搭載
1981年：SL 4000 Eがイギリス最優秀設計協議会賞を受賞。SSLコンソールが普及
1991年：ムービング・フェーダーとVCAフェーダーを切り替え可能なアルティメーション発表。SL 8000 G発表
1992年：オートメーション・ミキシング・システムScenaria発表
1993年：OmniMix、放送用コンソールSL 8000 GB発表
1993年：日本のスタジオのカスタム・コンソールをモデリングしたSL 4000 G+発表
1994年：オートメーション機能を強化したSL 9000 J発表
1995年：初のフル・デジタル・コンソールAxiom発表
1996年：フル・デジタル・コンソールAysis発表
1997年：映画関連とポスト・プロダクションに特化されたAvant発表
1998年：Axiom MTとAysis Air発表
2000年：コストパフォーマンスに優れたSL 8000 G+発表
2002年：XL 9000 K発表
2003年：XLogic、C 100、C 200発表
2004年：DAWとの互換性を持つAWS 900 Analogue Workstation System発表
2005年：C 300、DAW向けのPlug-Ins、XLogicの発展形発表
2006年：Duality、AWS 900+、Duende Plug-Insなどを発表
2007年：C Series - HD Range、XLogic Alpha VHD Preなどを発表
2008年：Mynx、Matrix、MadiXtremeなどを発表

主な機種

SL 4000 シリーズ

1970年代後半から多くのスタジオに導入されたコンソール。Eシリーズ以降は世界中で使用され、Gシリーズへと進化しました。スタジオが変わっても、コンソールのタイプがB/E/Gと変わっても、ミキシング作業をほぼ同じように行えるため、事実上1つのミキシング・プラットフォームとして機能しました。

VCA回路によるフェーダー・グルーピング、フェーダー・オートメーション、トータル・リコール・システム（業界初）など、革新的な機能を搭載し、スタジオにおけるコンソールの概念を大きく変えました。

SL 4000 B
SL 4000 E: 3種類のEQタイプ（茶色、オレンジ、黒）が存在
SL 4000 G: H/Aゲインコントロールがステップ式になり、音質が改善
SL 4000 G+: チャンネル・モジュール内部配線やパーツを刷新し、音質を向上

SL 5000、SL 6000、SL 8000 シリーズ

4000シリーズの流れを汲み、放送・映画関連に特化した機能を強化したコンソール。

SL 6000 E/G: 3チャンネルのステレオ・ミックス・バス（A/B/C）を搭載

SL/XL 9000 シリーズ

SuperAnalogue™回路を搭載し、従来のアナログ・コンソールの概念を覆したシリーズ。EQはSL 4000 Eシリーズの特性を持つ「E type EQ」を選択可能。ダイナミクス・セクションも強化。

SL 9000 J: 初期型にはハードディスク・レコーダー機能をオプション搭載
XL 9000 K: アナログ・コンソールのフラッグシップ・モデル。5.1chサラウンドに対応

デジタル・コンソール

Axiom
C100
C200
C200 HD
C300

DAW コンソール

ProToolsなどのDAWコントローラーとしての機能を搭載したアナログ・コンソール。

AWS 900 シリーズ: SuperAnalogue™コンソールとDAWコントロール機能を融合
Duality
Matrix

XLogic シリーズ

XL 9000 Kに搭載されているチャンネル・モジュールをアウトボード化した製品など。

コンピューター・オートメーション

SSLコンソールには、SMPTEタイムコードを利用したフェーダー・オートメーション・システム、MTRなどの走行系コントロール・システム、コンソールの全パラメーターを記録するトータル・リコール・システムなどが搭載されています。これにより、複雑なミキシング作業を効率的に行えます。

SSLは、常に革新的な技術でプロオーディオ業界をリードし続けています。その製品は、世界中の音楽制作の現場で信頼され、愛用されています。

参考文献

隔月刊プロサウンド、2009年4月 / 第150号、37-42頁。
隔月刊プロサウンド、2008年6月 / 第145号、94-101頁。
隔月刊プロサウンド、2008年2月 / 第143号、31-38頁。
隔月刊プロサウンド、2007年2月 / 第137号、49-55頁。
隔月刊プロサウンド、2006年8月 / 第134号、31-40頁。
隔月刊プロサウンド、2003年8月 / 第116号。
隔月刊プロサウンド、2002年12月 / 第112号。

関連項目

ミキシング・コンソール
録音スタジオ
デジタル・オーディオ・ワークステーション (DAW)

外部リンク

Solid State Logic ジャパン （日本語）
* Solid State Logic 本社 （英語）

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