ウォール・ストリート (映画)

映画『ウォール・ストリート』の概要

『ウォール・ストリート』（原題: Wall Street: Money Never Sleeps）は、2010年に公開されたアメリカの映画であり、1987年に製作された『ウォール街』の続編となります。この作品はオリバー・ストーン監督によるもので、前作同様に金融業界の厳しい現実と倫理的葛藤を前面に押し出した物語が展開されます。

あらすじ

物語は、ゴードン・ゲッコー（マイケル・ダグラス）がインサイダー取引と証券詐欺罪で懲役を終え、社会に戻るところから始まります。彼が出所したのは8年前のことですが、彼の影響力と恐れはまだ生きていました。その後、ウォール街で働く若き証券ブローカー、ジェイコブ・ムーア（シャイア・ラブーフ）は、彼の勤務先であるKZI社の株が急落する事件に直面します。

ジェイコブの恩師であり会社の経営者であるルイスは、突然の経済的崩壊に対処できず自殺してしまいます。この出来事は、ジェイコブにとって大きな衝撃であり、彼の資産も失われてしまいます。その原因を探る中で、ジェイコブは投資銀行の経営者ブレトン（ジョシュ・ブローリン）が裏で流布した噂が影響していることを知ります。

ジェイコブがビジネススクールでゴードンの講演に参加した際、彼はゴードンの娘ウィニー（キャリー・マリガン）と交際していることを明かします。ウィニーは、かつて家庭を崩壊させた父親であるゴードンへの強い反発を抱いていましたが、ジェイコブの助けを借りてゴードンとの関係を修復しようと挑戦します。

加えて、ゴードンはブレトンが自身を陥れた過去を思い出し、彼に対して復讐心を抱いています。彼は金融市場が崩壊する危機を察知しており、ジェイコブと共にその運命に立ち向かうチャンスを模索します。ジェイコブは、恩師の無念を晴らすために市場を操作する行動に出ますが、すぐにブレトンにその事実が発覚し、自らの会社に引き入れられることになります。

しかし、ジェイコブは投資方針が合わず、自分の考えを押し通せる状況ではありません。金融市場が崩壊の兆しを見せる中、彼はゴードンに相談することで、新たな手段を模索することになります。そして、彼はウィニー名義でスイスの銀行に隠された大金の存在を知ります。彼はウィニーを説得し、スイスに飛び、無事その資金を引き出すことに成功しますが、物語は彼をさらに困難な状況に追い込んでいくのです。

キャスト

この映画には豪華なキャストが揃っています。ゴードン・ゲッコー役にはマイケル・ダグラスが再登場し、若手のジェイコブ・ムーアを演じるシャイア・ラブーフの対比が作品に深みを与えています。その他には、証券業界の冷酷なブレトン役のジョシュ・ブローリン、ウィニー役のキャリー・マリガンなどが出演し、キャラクターたちの複雑な人間関係が描かれます。

評価

本作も前作同様に評価されており、レビュー集計サイトでの支持率は55%を記録しています。マイケル・ダグラスはこの役で第68回ゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされるなど、功績を残しました。

音楽

サウンドトラックにはトーキングヘッズの「ジス・マスト・ビー・ザ・プレイス」が再び採用され、作品の雰囲気を一層引き立てています。

この映画は、金融の世界を舞台にしながらも、家族愛や倫理に対する問いかけをテーマにした作品として、多くの観客に感動を与えました。

もう一度検索