ウクライナを支援するための欧州連合軍事支援ミッション

欧州連合軍事支援ミッション（EUMAMウクライナ）とは

欧州連合（EU）は、2022年10月17日にウクライナを支援するための軍事支援ミッション「EUMAMウクライナ」を設立しました。これは、EU史上初のウクライナに対する軍事支援ミッションであり、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、ウクライナからの軍事支援要請に応える形で発足しました。

このミッションの主な目的は、EU加盟国の領域内でウクライナ軍兵士に対し、軍事訓練を提供することです。この訓練は、ウクライナの領土防衛能力を向上させるための重要な支援策となります。

EUMAMウクライナ設立の背景

EUMAMウクライナ設立の外交的枠組みは、EUが2022年6月23～24日に表明した「ロシアの侵略に対するウクライナの自衛権行使を支援するための軍事支援」という声明に基づいています。さらに、ウクライナの外務大臣と国防大臣が2022年9月30日にEU上級代表に宛てた公式書簡による軍事支援の要請も、設立を後押ししました。

EUは2014年から、ウクライナの民間安全保障部門の改革を支援する「欧州連合顧問ミッション・ウクライナ」を既に実施しており、EUMAMウクライナは、ウクライナ支援における軍事面での新たな取り組みとなります。

ミッションの内容

EUMAMウクライナは、ウクライナ軍からの要請に応じ、領土防衛隊を含む同国軍に対し、個別訓練、集団訓練、および特殊訓練を提供します。また、EU加盟各国による訓練提供活動の調整と同期化も行います。

ミッションの活動拠点はEU加盟国領域内に置かれ、作戦本部はブリュッセルの欧州対外行動局（EEAS）内に設置されています。EUMAMの指揮官は、フランス海軍のエルヴェ・ブレジャン中将であり、彼はEEAS内の軍事活動計画・指揮能力局（MPCC）の現局長も務めています。

EUMAMの任務期間は2年間で、予算は1億670万ユーロが想定されています。作戦本部はポーランドとドイツに置かれ、訓練の大部分はポーランドで行われる予定です。また、EUMAMは、志を同じくする国際パートナーとも緊密に連携し、ウクライナ軍への訓練支援を行います。

ロシアからの反応

EUによるウクライナ軍への軍事訓練ミッション設立の計画に対し、ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワ氏は2022年10月6日に非難しました。ザハロワ氏は、このミッションがEUを「紛争当事国」にしてしまうと主張しています。

まとめ

EUMAMウクライナは、EUがウクライナの防衛能力を支援するために設立した重要なミッションです。EU加盟国内での訓練提供を通じて、ウクライナ軍の能力向上を図り、ロシアの侵略に対抗する力を強化することを目的としています。国際的な協力体制の下、ウクライナの平和と安全に貢献することを目指しています。

外部リンク

* ウクライナを支援するための欧州連合軍事支援ミッション

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