ウクライナ海兵隊

ウクライナ海兵隊：沿岸防衛の要

ウクライナ海兵隊は、ウクライナ軍における主要な軍種のひとつであり、海岸堡の確保、港湾施設、海軍基地、島嶼部、沿岸地域の警備・奪還を主任務とする精鋭部隊です。司令部をムィコラーイウに置き、陸軍、海軍、空軍、空中機動軍、特殊作戦軍に次ぐ6番目の独立軍種として、その重要性を増しています。

歴史と変遷

ソビエト連邦の崩壊とウクライナの独立に伴い、当初はウクライナ海軍の隷下部隊であるウクライナ海軍歩兵として編成されました。しかし、2023年5月23日、海軍から独立し、ウクライナ海兵隊として新たなスタートを切りました。この独立は、ウクライナにおける海兵隊の重要性と、その専門性の高さを象徴しています。

組織

ウクライナ海兵隊は、以下の部隊・機関で構成されています。

ウクライナ海兵隊司令部（ムィコラーイウ）：全体の指揮を執る中枢機関。
旅団
第35独立海兵旅団（ダチョネ）
第36独立海兵旅団（ムィコラーイウ）
第37独立海兵旅団
第38独立海兵旅団
第124独立領土防衛旅団（ヘルソン）
第126独立領土防衛旅団（オデッサ）
第32独立砲兵旅団（アルテストヴェ）
第406独立砲兵旅団（ムィコラーイウ）

大隊
第1独立海兵大隊（ムィコラーイウ）
第18独立海兵大隊（サラタ）
第88独立海兵大隊（ボルフラード）
第137独立海兵大隊（ダチョネ）
第501独立海兵大隊（ベルジャーンシク）
第503独立海兵大隊（マリウポリ）
第505独立海兵大隊
第64独立砲兵大隊（ビルホロド＝ドニストロフスキー）
第65独立沿岸ミサイル大隊（ダチョネ）
第66独立砲兵大隊（ベルジャーンシク）
第67独立砲兵大隊（オチャキウ）
第7独立高射ミサイル大隊（オチャキウ）
第140独立偵察大隊（スカドフスク）

連隊
第414独立無人攻撃機連隊

訓練センター/学校
第241訓練センター（ラデンスク）
海兵隊学校（ムィコラーイウ）

これらの部隊は、多様な任務に対応するため、高度な訓練を受けています。

教育

ウクライナ海兵隊は、質の高い将兵を育成するため、教育機関の整備に力を入れています。特に、2016年まで存在しなかった海軍歩兵（現海兵隊）への転属者の教育・訓練機関の不足が深刻化。この問題を解決するため、オデッサ陸軍士官学校に海軍歩兵学部（現海兵隊学部）が新設され、2018年6月2日に第一期生が卒業しました。

伝統

ウクライナ海兵隊は、その歴史と伝統を重んじています。

ベレー帽：ウクライナ海軍歩兵時代はソ連海軍歩兵と同様に黒色のベレー帽を着用していましたが、2017年11月20日以降はシアン色のベレー帽を着用しています。この変更は、海兵隊の独自性を強調するものであり、同時に戦車兵や砲兵も同じベレー帽を着用することで、部隊の一体感を高める効果もあります。
海軍歩兵の日：2014年3月31日に、11月16日が「海軍歩兵の日」として制定されました。これは、海兵隊の歴史と貢献を称えるための重要な祝日です。

装備

ウクライナ海兵隊は、多様な任務に対応するため、様々な装備を運用しています。具体的な装備については、公式な情報が限られているため、詳細は不明ですが、小火器、火砲、ミサイル、装甲車両などが使用されていると考えられます。

関連項目

ロシア海軍歩兵

ウクライナ海兵隊は、その歴史の中で、常に国家の防衛に貢献してきました。独立軍種としての新たなスタートを切った今、その重要性はますます高まっています。今後も、ウクライナの沿岸防衛における重要な役割を担っていくでしょう。

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