ヘルソン

ヘルソン：南ウクライナの要衝の地

ヘルソン（ウクライナ語: Херсон）は、ウクライナ南部に位置するヘルソン州の州都であり、ドニプロ川の右岸に位置する重要な都市です。草原地帯に位置し、大陸性気候の影響を受けています。

歴史

ヘルソンの歴史は古く、紀元前から様々な民族の支配を受けてきました。

紀元前5世紀～3世紀：スキタイ人
紀元前3世紀～3世紀：サルマタイ人
4世紀～5世紀：フン人
6世紀～7世紀：アヴァール人
8世紀～10世紀：ペチェネグ人
11世紀～13世紀：クマン人
13世紀～15世紀：モンゴル帝国
15世紀～18世紀：クリミア・ハン国

1737年、露土戦争の際にロシア帝国がアレクサンドル砦を建設し、1778年にはグリゴリー・ポチョムキンの提言により、この砦を中心に要塞、造船所、そして都市が建設され、「ヘルソン」と名付けられました。1783年にはロシア黒海艦隊の建設が始まり、帝政ロシアにとって重要な軍事拠点、軍港、商港としての地位を確立しました。

1803年にはヘルソン県が設置され、その県庁所在地となります。20世紀に入ると、1908年にヘルソン発電所が設立されました。第一次世界大戦後の混乱期を経て、1917年にはウクライナ人民共和国の領土となりますが、その後は赤軍や白軍による占領、ドイツ軍による占領など、激動の時代を経験しました。

1941年から1944年まではナチス・ドイツ軍に占領され、第二次世界大戦終結後の1944年にヘルソン州が設置され、その州庁所在地となりました。1991年のウクライナ独立に伴い、ヘルソンは独立国家ウクライナの一部となり、現在に至ります。

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻では、3月上旬までにロシア連邦軍に包囲・占拠されました。同年9月にはロシアへの編入を問う住民投票が実施されましたが、国際社会はこれを認めず、11月にはロシア軍が撤退しました。

人口

ヘルソンの人口は、時代とともに大きく変動しています。

1789年：2,000人
1792年：25,000人
1846年：54,000人
1850年：62,000人
1885年：65,000人
1910年：72,000人
1926年：58,000人
1939年：98,000人
1941年：102,000人
1959年：158,000人
1981年：329,000人
1989年：395,600人
2001年：367,200人
2021年：283,649人（推計）

住民の構成は、ウクライナ人が約82%を占め、その他18%となっています。母語としては、ウクライナ語が約73%、ロシア語が約25%となっています。

姉妹都市

ヘルソンは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ジェシュフ（ポーランド）
ザラエゲルセグ（ハンガリー）
シュメン（ブルガリア）
ケント（アメリカ合衆国）
ゾングルダク（トルコ）
オスロ（ノルウェー）

観光

ヘルソンには、歴史的な建造物や美しい景観など、観光資源が豊富にあります。（詳細な観光情報については、公式サイト等をご参照ください。）

参考文献

伊東孝之,井内敏夫,中井和夫 『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 山川出版社, 1998.12.
Історія міст і сіл Укр. РСР. Чернігівська область － Київ, 1972.

外部リンク

ヘルソン市の公式サイト（ウクライナ語）
Dnipro River Delta | Ramsar Sites Information Service

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