ウスバアゲハ亜科

ウスバアゲハ亜科（ウスバアゲハあか、薄羽鳳蝶 Parnassiinae）は、アゲハチョウ科に属する3亜科の1つです。

分布と生態

世界では約70種、日本では6種が生息しています。特にヨーロッパでは高山に生息し、氷河期以降、他の地域との交流が限られたため、各地に模様の異なる個体群が見られます。生息標高は400メートルから2000メートルにかけてで、個体の大きさは標高や食草の種類と深く関係しています。

幼虫は、ケマンソウ科のムラサキケマン、ヤマエンゴサク、エゾエンゴサクなどを食草とします。ヨーロッパでは、マンネングサ属の植物を食べる種もいます。成虫は、アザミなどの花の蜜を好んで摂取します。

別名としてウスバシロチョウ亜科と呼ばれることもあります。

形態的特徴

ウスバアゲハ亜科の顕著な特徴として、以下の点が挙げられます。

前足ふ節の爪が非対称であること。
オスの交尾器が狭く、高度に硬化していること。
メスの腹部において、交尾口周辺が著しく硬化していること。

ただし、イランアゲハ属においては、これらの特徴が見られません。しかし、DNA解析の結果から、ウスバアゲハ属の姉妹群であることが判明しています。また、本亜科のメスの多くは、交尾後に特徴的な受胎嚢を形成します。

分類

ウスバアゲハ亜科は、以下の2つの族に分類されています。

ウスバアゲハ族 Parnassiini
ウスバアゲハ属 Parnassius
タイスアゲハ族 Zerynthiini
ギフチョウ属 Luehdorfia
ホソオチョウ属 Sericinus

参考文献

白水隆『日本産蝶類標準図鑑』学習研究社、2006年8月。ISBN 4-05-202296-3。

外部リンク

“Parnassiinae Duponchel, 1835”. 2011年4月9日閲覧。 Tree of Life

この解説では、ウスバアゲハ亜科の生物学的特性、分布、形態、分類について詳細に説明しました。

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