ウッチ映画大学

レオン・シレル記念国立ウッチ高等映画テレビ演劇学校：ポーランド映画界の揺籃

レオン・シレル記念国立ウッチ高等映画テレビ演劇学校（ポーランド語: Państwowa Wyższa Szkoła Filmowa, Telewizyjna i Teatralna im. Leona Schillera w Łodzi）は、ポーランドを代表する映画、テレビ、演劇の教育機関です。1948年3月8日、ウッチに設立されました。当初は戦災からの復興途上のワルシャワへの移転が計画されていましたが、最終的にウッチに定着し、現在では同市の高等教育機関の中でも特に高い知名度を誇ります。

設立と発展：ワルシャワからウッチへ

設立当初は、俳優養成学校と映画制作学校という2つの独立した学校でした。第二次世界大戦後、ワルシャワからウッチへ移転したポーランド映画産業と歩みを共にし、一時的に「国立ワルシャワ高等演劇学校ウッチ臨時校」という名称も用いられました。著名なポーランド人俳優、レオン・シレルが初代校長を務めたことから、現在の校名にその名が冠されています。1949年には、一校はワルシャワへ移転し、もう一校はウッチに残りました。

1958年の統合前には、後に「ポーランド派」と呼ばれることになる芸術家たちが同校で才能を開花させ始めました。この時代は、ポーランドの中でも特に自由な表現が許される、リベラルな教育機関として知られていました。アンジェイ・ムンク、ヤヌーシュ・モルゲンスターン、アンジェイ・ワイダ、カジミエシュ・クッツといった、後に世界的に名を馳せる監督たちがこの頃に卒業しています。ロマン・ポランスキーも1954年に在学を始めました。

1958年以降、同校はポーランドの文化的シンクタンクとしての役割を担いました。イエジー・トエプリッツ校長の下、自由な議論と表現の場が積極的に提供され、多くの異端的な芸術家たちが集まりました。この時代には、大戦後初のジャズミュージシャンも輩出するなど、社会的な影響力も強まりました。しかし、1968年3月の出来事を境に、自由な雰囲気は失われ、多くの教員が解雇されるなど、厳しい時代を経験しました。その後、エドヴァルト・ギェレク政権下で再び発展を始めました。

世界に羽ばたく卒業生

同校の卒業生は、映画界で輝かしい功績を残しています。ロマン・ポランスキー、アンジェイ・ワイダ、ズビグニュー・リプチンスキーの3名は、アカデミー賞を受賞しています。また、クシシュトフ・キェシロフスキなど、数々の著名な監督、撮影監督、俳優を輩出しており、その作品は世界中で高く評価されています。

卒業生一覧（一部）

監督: アンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキー、クシシュトフ・キェシロフスキ、カジミエシュ・クッツ、アンジェイ・ムンク、イエジー・スコリモフスキー、他多数

撮影監督: パヴェル・エデルマン、ズビグニュー・リプチンスキ、ピョートル・ソボチンスキ、他多数

俳優: ヤヌシュ・ガヨス、ズビグニェフ・ザマホフスキ、他多数

結論

レオン・シレル記念国立ウッチ高等映画テレビ演劇学校は、長い歴史の中で自由な表現と創造性を重んじ、数々の才能を育成してきたポーランドの誇るべき教育機関です。今後も、世界的な映画文化に貢献する人材を輩出し続けることが期待されます。

もう一度検索