ウツヨキ

ウツヨキ：フィンランド最北の地

ウツヨキ（Utsjoki）は、フィンランド・ラッピ県に位置する自治体であり、同国最北端に存在します。イナリやノルウェーとの国境に接し、豊かな自然とサーミ文化が息づく地域として知られています。1876年に市制が施行され、2021年12月末時点での人口は約1176人、面積は約5372平方キロメートル（うち水域228平方キロメートル）、人口密度は1平方キロメートルあたり0.23人と、広大な面積に人口が点在する特徴があります。

サーミ文化の中心地

ウツヨキは、フィンランド国内でサーミ語話者の割合が最も高い自治体であり、その割合は46.6%に達します。公用語はフィンランド語と北部サーミ語の二言語であり、サーミ文化が生活に深く根付いています。地域名は、フィンランド語の「Utsjoki」の他に、イナリ・サーミ語で「Uccjuuhâ」、北部サーミ語で「Ohcejohka」、スコルト・サーミ語で「Uccjokk」と呼ばれています。

テノ川とヌオルガム

北極海に注ぐテノ川（ノルウェー名：タナ川）は、ウツヨキとノルウェーの国境を成しています。この川はサケの豊富な漁場として知られ、多くの釣り人が訪れます。また、フィンランドおよび欧州連合の最北の村であるヌオルガムには、世界最北の陸上国境が通っています。

交通の要衝

ウツヨキは、フィンランド最長の高速道路である高速4号線の北端に位置しています。欧州自動車道路のE75号線は、サーミ橋を越えてノルウェーへと続いており、国際的な交通の要衝としての役割も担っています。

ケヴォ自然保護区

市内には、面積712平方キロメートルにおよぶケヴォ自然保護区が広がっています。この保護区内には、ケヴォ峡谷の断崖を通過する全長63キロメートルの遊歩道があり、手つかずの自然を満喫できます。峡谷の壮大な景観は、訪れる人々を魅了し続けています。

ウツヨキは、その地理的な位置、サーミ文化、自然の美しさにおいて、フィンランドの中でも特異な魅力を放つ地域です。観光地としても注目されており、その豊かな自然と文化に触れるために、多くの人々が訪れています。

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