ウディ・ショウ

ウディ・ショウ（Woody Shaw, 1944年12月24日 - 1989年5月10日）は、アメリカ合衆国出身のジャズトランペット奏者です。

生涯

ニュージャージー州ニューアークで生まれ、18歳という若さでエリック・ドルフィーとの共演を果たし、初レコーディングを経験しました。その後、ホレス・シルヴァーグループやアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズといった名門ジャズグループに参加。ジャッキー・マクリーン、ジョー・ヘンダーソン、マッコイ・タイナー、チック・コリア、アンドリュー・ヒル、ラリー・ヤングなど、当時の新世代ミュージシャンとも積極的に共演し、その名を高めました。

彼の演奏スタイルは、ハード・バップを基盤としつつも、アヴァンギャルドの要素を取り入れた革新的なもので、1960年代後半から1970年代にかけて、フレディ・ハバードと並ぶ実力派トランペッターとして注目を集めました。しかし、複雑で難解とも評されるフレーズや、生真面目な演奏スタイルが、大衆的な人気を得る妨げになったとも言われています。そのため、彼の才能は「過小評価、不当な評価」と評されることが少なくありません。

1970年代には、多くのミュージシャンがフュージョンブームに乗じてロックやポップの要素を取り入れる中、ウディ・ショウは伝統的なスタイルを重んじながらも、ハードでアグレッシブなジャズを追求し続けました。1974年にはミューズ、1977年にはCBS（コロムビア・レコード）と契約し、『ローズウッド』(1977年)や『ステッピング・ストーンズ:ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』(1978年)など、数々の名盤を発表しました。

1989年2月、彼はニューヨークのブルックリンで地下鉄のホームから転落するという事故に見舞われ、視力の低下が原因とも言われています。この事故により左腕を切断せざるを得なくなり、その後の経過も思わしくなく、同年5月に44歳の若さでこの世を去りました。

数多くのミュージシャンと共演しており、スライド・ハンプトン、ルネ・マクリーン、アンソニー・ブラクストン、セシル・マクビー、ボビー・ハッチャーソンなどが挙げられます。

ディスコグラフィー(一部抜粋)

ブラックストーンの伝承 (1970年)
ソング・オブ・ソングス (1973年)
ザ・ムーントレイン (1974年)
ローズウッド (1977年)
ステッピング・ストーンズ:ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード (1978年)
ジ・アイアン・メン (1981年) ※with アンソニー・ブラクストン
ロータス・フラワー (1982年)
トランペット伝説 (1985年) ※with フレディ・ハバード
イマジネーション (1987年)

参考文献

ジャズ批評編集部編 編『JAZZトランペット』松坂〈ジャズ批評ブックス〉、2001年、222-223頁。ISBN 491555709X

外部リンク

* ウディ・ショウ - Discogs

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