ウニタ (イタリアの新聞)

イタリアの新聞『ウニタ』の歴史

『ウニタ』（イタリア語: l'Unità、「団結」の意）は、イタリアの激動の歴史とともに歩んできた新聞です。1924年にイタリア共産党の機関紙として創刊され、幾度の休刊と復刊を経て、2023年に独立した定期刊行物として再出発しました。その歴史を詳細に見ていきましょう。

創刊からムッソリーニ政権下での発行禁止

『ウニタ』は、アントニオ・グラムシによって1924年2月12日に創刊されました。「労働者と農民の新聞」として、イタリア共産党 (PCI) の声を代弁する役割を担い、ミラノで印刷され、2万部から3万部を発行していました。しかし、1925年11月8日、ミラノ当局によって発行が差し止められ、1926年にはムッソリーニ暗殺未遂事件を機に、完全に発行が禁じられました。

秘密出版から戦後の復刊、そして地方版の設立

発行禁止後も、『ウニタ』は秘密裏に出版を続けました。ミラノ、トリノ、ローマ、そしてフランスで不定期に刊行され、その灯を絶やしませんでした。完全な刊行体制が復活したのは、連合軍がローマを陥落させた1944年6月6日でした。その後、各地に地方版が設立され、トリノ版では哲学者のルドヴィコ・ジェイモナットが編集を担当するなど、著名な知識人も制作に携わりました。

発行部数の推移と経営の多角化

1974年には239,000部、1981年には約100万部と発行部数を伸ばしましたが、新たな左翼系新聞『ラ・レプッブリカ』の登場により、1980年代初頭には部数を大きく減らしました。その後は、風刺週刊誌『クオーレ』を付録につけたり、本の無料付録を配布するなど、経営の多角化を図りました。

幾度の休刊と復刊

2000年から2001年にかけて財政問題で一時休刊しましたが、その後復刊。しかし、2014年7月31日に再び休刊。2015年6月30日にリニューアルして復刊したものの、経営は安定せず、2017年6月3日に三度目の休刊となりました。その後、発行免許維持のため年11回のみ刊行される期間を経て、2022年7月27日に発行会社が破産宣告を受けました。

現在

2022年11月22日、『リフォルミスタ』を買収したRomeo Editore srl グループが『ウニタ』を買収。ピエロ・サンソネッティを編集長に迎え、2023年5月16日に再び刊行を再開しました。

発行部数の推移

『ウニタ』の発行部数は、1950年代前半に最盛期を迎え、日曜版は100万部を超えていました。しかし、その後は減少傾向にあり、2016年には8,000部、2017年には7,000部まで落ち込みました。

『ウニタ』は、イタリアの政治と社会の変遷を映し出す鏡として、その歴史を刻み続けています。

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