ウラドの武者たちの酩酊

『ウラドの武者たちの酩酊』(アイルランド語: Mesca Ulad)は、アイルランドの物語であり、アルスター物語群に分類されます。

写本

現存するのは、それぞれ断章である二つの版です。古アイルランド語で書かれたA版は、『赤牛の書』に後半部分のみが収録されています。一方、中期アイルランド語で書かれたB版は、『レンスターの書』に前半部分のみが初出として収められています。

興味深いことに、『レカンの黄書』や16世紀のスコットランドの写本には、これら二つの断章が一つにまとめられた形で収録されています。

あらすじ

物語は、アルスター王コンホヴァルが、二人の里子であるフィンタンとクー・フーリンに対し、1年の間、アルスターの単独支配権を自身に預けるよう説得する場面から始まります。この二人は、王からアルスターのそれぞれ1/3を割譲されていたという背景があります。

1年後、フィンタンとクー・フーリンは、同じ日にコンホヴァルを祝おうと計画します。コンホヴァルは、夜の前半はフィンタンに、後半はクー・フーリンに会うことを決定します。

王たちは戦車に乗り、フィンタンの城からクー・フーリンの城へと移動を開始しますが、深夜の闇の中、道に迷ってしまいます。そして、誤って敵対する王であるクー・ロイの城へとたどり着いてしまいます。しかし、クー・ロイは表向きはコンホヴァルらを客として歓待します。

宴が催されることになり、クー・ロイは木の板を張り付けた鉄の館へと彼らを招き入れます。アルスターの人々が館に入ると、彼は鎖でカギをかけ、館に火を放ちます。絶体絶命の危機に陥りますが、クー・フーリンの助けによってアルスターの人々は鎖を断ち切ることに成功し、炎に包まれた館からの脱出を試みます。最終的に、彼らはクー・ロイの城であるテウィル・ルアハラを破壊するまでに至ります。

外部リンク

Mesca Ulad - CODECS

参考文献

参考文献リスト

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