ウラナミアカシジミの特徴と生態
ウラナミアカシジミ(
学名:Japonica saepestriata Hewitson, 1865)は、シジミ
チョウ科の中で特に魅力的な蝶の一種であり、その美しい容姿と興味深い生態で知られています。主に日本を含む東アジア地域に生息しており、独特な翅の模様が特徴です。
特徴
ウラナミアカシジミの翅の裏側は、薄いオレンジ色を基にし、その上に黒い角ばった斑点が散りばめられています。この模様は同属のウラナミシジミに似ており、一見すると見間違えることもあります。また、後翅の端には赤い色があり、黒い尾状突起の先は白くなっているのも特徴的です。翅の表面はオレンジ一色で、美しい光沢があります。止まっている時には、その特異な翅の形状がはっきりと分かります。前翅は横に長く、後翅は縦に長いというアンバランスな形状を持つため、飛んでいる時にはその姿が印象的です。
生態
ウラナミアカシジミの
成虫は初
夏に現れ、年間に一回繁殖します。
卵は
夏に孵化することなく
冬を越し、翌年の
春に孵化して同年に発生します。この生態はアカシジミと非常に似ており、成長過程もほぼ同様です。生息場所は主に
雑木林で、発生地を離れにくい性質を持ち、周辺の環境に依存しています。
幼虫は主に
クヌギや
アベマキ、
ウバメガシなどの葉を食べ、新芽を好みます。特に、植林が進んだ過去の環境では若い樹が豊富であり、本種が多く見られることがありました。
分布
ウラナミアカシジミは、
ロシア沿海州、
中国、
朝鮮半島、日本に分布しています。日本国内では、
北海道、
本州、
四国北部に
亜種が生息していますが、その数や生息域は年々減少しており、特に
紀伊半島に分布する
亜種は様々な斑紋を持つことから別の
亜種とされています。
分類
ウラナミアカシジミには、以下の2つの
亜種が確認されています。
- - J. saepestriata saepestriata(Hewitson, 1865)
- - J. saepestriata gotohi Saigusa - 紀伊半島南部亜種
種の保全状況
ウラナミアカシジミは、日本のいくつかの
都道府県で
レッドリストに指定されています。開発や
雑木林の減少が原因で、個体数の減少が顕著です。以下は、その評価の一部です:
まとめ
ウラナミアカシジミは、その美しい模様と独特な生態から、自然保護の重要な対象とされています。環境の変化に敏感に反応するこの蝶を守るためには、適切な生息環境の維持と、個体数の調査・保護活動が求められています。これからも彼らの生息地を守る努力が必要です。