ウラベニガサ科

ウラベニガサ科について

ウラベニガサ科（Pluteaceae）は、真正担子菌綱のハラタケ目に分類される菌類の一群であり、その特徴的な形態と生態から注目されています。これらの菌類は、主に中程度から小型の子実体を持ちますが、10cm以上の傘を持つものや20cmの柄を持つ大きな種も存在します。

形態的特徴

ウラベニガサ科の子実体は、もろくて壊れやすい肉質を有しています。すべての種に共通する特徴として、子実層托はひだ状であり、管孔状の構造は見られません。また、柄は通常、傘の中心に着いており、良く発達しています。内被膜または外被膜が存在する場合もありますが、両方を同時に持つことはありません。胞子紋は、成熟するにつれ濃い肌色や桃色、時には帯褐ピンク色になることが一般的です。胞子は薄壁で平滑、ほぼ球形または広楕円形の形状を持ち、発芽孔はなく、特定の染料に対して独特な反応を示します。

ひだと菌糸の構造

ひだの実質には、菌糸が逆V字型に配列されており、この構造は「逆散開型構造」と呼ばれています。このように、子実層はしばしば顕著なシスチジアを形成し、かさの表皮には球形細胞の層や嚢状細胞からなる柵状構造などが見られます。菌糸の細胞には隔壁を持つものと持たないものがあり、また、色素が子実体に存在する場合は通常菌糸の細胞質に均一に溶け込んでいます。

生態

ウラベニガサ科の菌類は、すべてが腐生性です。つまり、これらの菌類は有機物を分解することに特化しており、外生菌根を形成する種は存在しません。生育環境としては、有機物が豊富な地面や堆肥、さらには腐朽した木材の上に広がって見られます。また、一部の種は他の種類のキノコの子実体上に発生することも知られています。

他の科との関係

ウラベニガサ科の菌類は、テングタケ科との関連が想像されています。これは、ひだの実質の構造が共通するためです。しかし、テングタケ科の fungi は胞子紋が白色であり、樹木の細根と外生菌根を形成するという大きな違いがあります。また、イッポンシメジ科では胞子紋が桃色ですが、その菌のひだの実質の構造は異なり、胞子は多角形を帯びています。

科内の分類

古くから区分けされていたウラベニガサ属やフクロタケ属、Chamaeota属に加え、2011年には分子系統解析の結果、オオフクロタケ属が新たに記載されました。2008年の時点では、ウラベニガサ科には364種以上が含まれるとされており、多様性に富んでいます。

ウラベニガサ科の菌類は、そのユニークな形態と生態から、生物学的研究や観察の対象として、非常に興味深い存在です。

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