ウルトラファイト

ウルトラファイト

『ウルトラファイト』は、1970年9月28日から1971年9月24日まで、TBS系列で毎週月曜から金曜の17:30から17:35に放送されたミニ番組です。制作は円谷プロダクションで、特撮ファンや子供たちに親しまれました。この番組は、特撮作品『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の映像を再編集し、プロレス風の実況ナレーションを加えた新たなスタイルが特徴です。

番組の背景

1968年に『マイティジャック』が不振により打ち切られ、さらに『怪奇大作戦』も視聴率低下が影響し、円谷プロは危機的な状況にありました。その中で、創業者の円谷英二の長男である円谷一が「現金支出ゼロの番組を作ろう」という提案をし、かつてのフィルムから映像を抜き出して編集し、番組を制作することが決定しました。最初は130本の制作を目指しましたが、フィルムの尺が不足し、新たに怪獣同士の新規撮影を行うことで最終的には196本のエピソードが登場し、合計253回が放送されました。

プログラムの内容

『ウルトラファイト』の内容は、大きく「抜き焼き編」と「新撮影編」に分かれます。抜き焼き編は過去の作品から再編集した映像を使用し、物語の流れを一部省略したり、異なる展開に再構成したりすることもありました。対して新撮影編では、怪獣とセブンなどが即席で格闘を繰り広げるシンプルながら魅力的な内容が展開されます。野外で行われた撮影は、初めは身近な場所で行われていたものの、番組の人気が高まり、ロケ地が広がっていきました。

キャラクターと制作

新撮影編には独特なキャラクターやサブタイトルが散りばめられ、流行語を用いた不条理で怪しげな筋書きが魅力でした。番組のナレーションは当時のTBSアナウンサー・山田二郎が担当しました。彼は怪獣の資料と映像を基に即興でプロレス実況風の解説を行い、視聴者を楽しませました。

影響と評価

当初は批判も多かったものの、視聴者たちにとっては毎週怪獣に出会える貴重な機会であり、一気に人気番組となりました。この番組が引き金となり、第二次怪獣ブームを魂に根付かせました。『ウルトラファイト』のアイデアや手法は後の作品にも受け継がれ、特撮の新たな可能性を切り開く一因となったのです。

収録と映像ソフト化

『ウルトラファイト』は、映像ソフト化にも力を入れ、LD-BOXやDVD-BOXが販売されました。特典として新撮影編の映像や未公開エピソードも収録されており、特撮ファンにはたまらないアイテムとなっています。また、近年もスピンオフや関連作品として新たな展開を見せており、シリーズの進化が続いています。

このように、『ウルトラファイト』はただの特撮番組を超え、多くの人々に影響を与え続ける重要な作品として位置づけられています。

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