ウルトラマン物語

概要

特撮映画『ウルトラマン物語』は、1984年7月14日に円谷プロダクションによって公開されました。この作品は、過去のウルトラシリーズ劇場版と異なり、テレビシリーズのエピソードを再編集するのではなく、半分以上が新規撮影されたオリジナル作品となっています。

本作では、ウルトラマンタロウがウルトラの母およびウルトラの父から学びながら成長していく様子が描かれています。タロウは少年から青年へと成長し、彼が直面する事件や特訓を通じて、彼自身の成長と仲間への理解を深めていく過程が表されています。また、タロウの回想シーンとして、過去のウルトラ戦士たちの戦いも回顧され、タロウは彼らの戦いを視聴することで学びを得ています。

ストーリー

物語は、M78星雲にあるウルトラの星にて、若きウルトラマンタロウが一人前のウルトラ戦士になるために特訓に励むところから始まります。最初は、タロウは怪獣は恐ろしい存在であり、全てを倒すべきだと信じていましたが、善良な怪獣ドックンとの出会いを通じて、その考えが間違っていることに気づきます。

成長を続けるタロウは、自らの力不足を痛感し、さらに特訓に励むようになりますが、ウルトラの父が実戦を許可しない理由を理解できずに試練を迎えます。ウルトラの父の厳しい指導のもと、タロウは様々な夢を通じて自己を見つめ直し、最終的に与えられた特訓の目的を知ります。

タロウが実戦に出た時、改造されたエレキングと対峙します。彼は無事に敵を倒すものの、ウルトラの父はまだ学ぶべきことがあると告げ、タロウは不満を抱えつつも特訓を続けることになります。

そして、最後の特訓として、ウルトラの父から授けられた試練がタロウを待ち受けます。それは、ウルトラの父から放出されるエネルギーを吸収するというもので、その成果は復活の危機にある宇宙の帝王ジュダとの戦いに直接結びつくものでした。タロウは仲間たちと共に、壮絶な戦闘に挑むこととなります。

登場キャラクター

• - タロウ: 本作の主人公で、修行を重ね成長する若きウルトラ戦士。
• - ウルトラの父/母: タロウを指導する重要な存在。
• - ドックン: タロウの成長に寄与した善良な怪獣。
• - ジュダ: 物語の悪役で、宇宙の邪悪な存在。

多数のウルトラマンや怪獣が登場し、それぞれが重要な役割を果たします。ウルトラ戦士たちは仲間として戦う一方、タロウは自らの成長を促し、彼らと共に活躍する姿が描かれています。また、映画内では多くの過去作品の映像を引用し、ファンには嬉しい演出が施されています。

音楽と制作

主題歌や挿入歌も含め、音楽は作品にとって重要な要素であり、劇中では過去のウルトラシリーズのBGMも使われています。監督は高野宏一、脚本は平野靖士が担い、円谷プロの豊かな伝統を感じさせる作品です。完成披露試写会では、ウルトラマンたちが登壇し、観客との交流を図りました。

後の影響

本作は後のウルトラシリーズや様々な派生作品に影響を与え、登場キャラクターたちはその後の作品でも引き続き重要な役割を果たすこととなります。特に、タロウの声を担当した石丸博也は、以降のシリーズでもたびたびタロウを演じ続けています。

このように、特撮映画『ウルトラマン物語』は、タロウの成長やウルトラ戦士たちの絆を描いた心温まる作品であり、ファンの心に残るメモリアルな作品となっています。

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