ウルトラマンVS仮面ライダー

ウルトラマンVS仮面ライダー

『ウルトラマンVS仮面ライダー』は、1993年に発表された特撮オリジナルビデオであり、円谷プロと東映が誇る二大ヒーローの夢の共演を実現した作品です。本書では、この作品の概要や主要キャラクター、制作秘話に焦点を当てます。

概要

この特撮オリジナルビデオは、同年7月21日にリリースされました。当時、ウルトラマンと仮面ライダーはそれぞれのテレビシリーズが休止中であったため、両シリーズの再起を図る挑戦でもありました。円谷プロダクションは、東宝との資本関係を解消した際に新たな展開を模索しており、バンダイビジュアルの企画により両社の協力が実現しました。

具体的には、権利関係の調整のために双方の制作スタッフは秘密裏に話し合いを交わし、最終的には合意に至ります。その結果、作品は再販売やテレビ放送しないという前提のもと、オリジナルの短編ドラマとともに、これまでの名場面を振り返る内容となりました。

制作とスタッフ

演出は雨宮慶太が担当。ナレーションには『ウルトラマン』の浦野光と『仮面ライダー』の中江真司が起用され、それぞれの個性を引き立てる形で展開されます。また、音楽には影山ヒロノブが参加し、主題歌や挿入歌を歌い上げました。特に、主題歌「戦うために生まれた戦士」は、ウルトラマンと仮面ライダーの戦いを鮮やかに表しています。

あらすじ

物語の始まりは、ショッカー中近東支部が送り込んだ「毒サソリ男」が引き起こす大地震によって、古代怪獣ガドラスが復活するところから始まります。危機を救うべく登場したウルトラマン（Cタイプ）と仮面ライダー1号（新1号）は、それぞれ独自の能力で立ち向かいますが、敵は毒サソリ男とガドラスが互いに力を吸収し合うことで新たに誕生した合体獣「サソリガドラス」に進化します。

巨大化した仮面ライダーは、ウルトラマンとタッグを組み、壮絶な戦闘を繰り広げながらも、両者の得意技を連携させ、連撃を展開します。こうした戦闘シーンは、CGによる映像合成を駆使し、従来のヒーローものの「お約束」を再現しています。

登場怪獣・怪人

作品には、敵キャラクターも多彩に登場します。例えば、毒サソリ男は大地震を引き起こす超悪党で、古代怪獣ガドラスはその強大な力を振るう存在です。また、彼らが合体して生まれるサソリガドラスは、ウルトラマンと仮面ライダーの合同攻撃を受けることで彼らを圧倒しますが、最終的には勢力の逆転が訪れます。

映像ソフト化と記録

本作品はVHSやLDでリリース後、2011年にはリマスター版がDVDおよびBDとして再発売されました。特に、BD版には特典映像が収録され、観客に新たな視点を提供しています。また、2013年には短編ドラマ部分のみがCS放送で初めてテレビ放送されました。

エピローグ

ウルトラマンと仮面ライダーが歴史的に共演したこの作品は、両作品のファンにとって特別な存在です。作品のリリース後もファンの期待を裏切らずに、続編や新たなコラボ企画の可能性が語られ続けています。特撮ファンにとって、この作品の持つ特別な魅力は色褪せることがありません。

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