ウルトラ兄弟

ウルトラ兄弟とは

ウルトラ兄弟（ウルトラきょうだい）は、円谷プロダクションが制作する特撮テレビドラマシリーズの中で、M78星雲出身のウルトラマンたちをまとめて指す名称です。このシリーズには『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』など、多くの作品が含まれ、ウルトラ兄弟は歴代のヒーローたちをグループとしてまとめた設定を持っています。現在、ウルトラ兄弟として認識されているメンバーは11人です。

ウルトラ兄弟の誕生と変遷

ウルトラ兄弟の設定が初めて誕生したのは、1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』の時でした。当時、小学館の学習雑誌『小学二年生』の編集長であった井川浩が、ゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンの4人を兄弟として設定したことがきっかけでした。この設定は、当時の漫画『かあさん星』からヒントを得たもので、井川氏が「親子や兄弟というテーマは受け入れられやすい」と考えたためです。

しかし、この「4兄弟」という設定については、円谷プロから注意を受ける事態が発生しました。当時の社長、円谷一はこの設定を承認していたものの、「ウルトラの国にはシルバー族とレッド族が存在する」という前提と矛盾するため、設定に関しては修正が加えられました。結果として、『小学三年生』の1971年11月号では「本当の兄弟ではないが非常に親しい関係にあるため『ウルトラ兄弟』と呼ばれる」と表現され、ウルトラ兄弟の名称が正式に広がりました。

『帰マン』では、最終回の51話でバット星人の台詞として「ウルトラ兄弟」の名が初めて登場し、以降この言葉はシリーズにおいて定着しました。さらに、続編の『ウルトラマンA』や『ウルトラマンタロウ』では、ウルトラ兄弟という設定が強調される場面が多く、シリーズ全体を通じて歴代ヒーローたちの共演が広がっていきました。

その後、ウルトラ兄弟の設定は広がりを見せ、『ザ☆ウルトラマン』では新たな世界観での展開も見られましたが、シリーズが続くにつれて、兄弟という呼称が「ウルトラヒーロー」や「ウルトラ戦士」と統一される傾向が強まりました。特に2000年代に入ると、ウルトラ兄弟の設定はあまり語られなくなり、最終的に日本国外の作品でもその存在が言及されることは少なくなりました。

基本設定とメンバー

基本的な設定によれば、ウルトラ兄弟はM78星雲 光の国の宇宙警備隊員で、地球防衛を任されたエリート集団とされています。しかし、彼らのつながりを兄弟として明言した作品は少なく、各作品の設定が独立して蓄積されてきました。特に『メビウス』シリーズでは、ウルトラの父からの特別な称号が地球のヒーローたちに与えられることから、彼らの関係が兄弟的なものであることが示唆されています。

ウルトラ兄弟を構成する正式なメンバーは、ゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオ、アストラ、ウルトラマン80、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンヒカリの計11人です。これらのキャラクターたちは、作品ごとに追加されたり、役割が変化したりしています。

ウルトラ兄弟の構成については、特にエースやタロウを含む5兄弟、また6兄弟という言及がされることも多いですが、その後の作品ではこれらの表現が使われることは減少しました。ウルトラの父とウルトラの母の実子はタロウだけであり、基本的には兄弟関係を持たない設定となっていますが、特にレオとアストラは実の兄弟として描かれることがあります。

音楽とテーマ

ウルトラ兄弟には特定のテーマ曲が存在しますが、そのメインテーマは『タロウ』まで作詞・作曲が行われていませんでした。後に、6兄弟を描いた「ウルトラ六兄弟」という曲が作られ、さらに『メビウス』では新たに「HEROES!」というテーマ曲も作られました。これらの楽曲は、ウルトラ兄弟の活躍と心の絆を象徴しています。

ウルトラ兄弟は、円谷プロの特撮作品において今もなお、多くのファンに愛され続けている存在です。彼らの冒険は、世代を超えて人々の記憶に刻まれています。

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