ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説

ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説

『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』は、1990年4月14日に松竹系で公開された特撮映画です。この作品は、円谷プロダクションの特撮テレビ番組『ウルトラQ』をリメイクしたもので、円谷プロから独立した円谷映像が手がけた初作品です。

制作背景

映画は、昔のウルトラシリーズを手がけた実相寺昭雄が監督し、佐々木守が脚本を担当しました。元々、1982年にATGと円谷プロの共同で製作が計画されていた『ウルトラマン 怪獣聖書』が、その根幹となっています。物語には、羽衣伝説や浦島太郎の伝説が寄与しており、同じく佐々木が脚本を手がけたドラマ『三日月情話』とも共通点が見られます。

当初は金子修介監督や伊藤和典脚本での企画もありましたが、出資の関係などからそのプロジェクトは実現しませんでした。映画化への道は、人気キャラクターの登場が期待される一方で商品化問題もあり、実相寺へと引き継がれる運命となりました。

特撮手法

本作品の制作時には、CG技術が進展しつつありましたが、特撮の手法は伝統的なものが多く使われ、ミニチュアや着ぐるみ、音楽、映像とが相まって、懐かしさを呼び起こす仕上がりとなっています。また、当時のウルトラシリーズに関わっていたスタッフが多数参加しており、旧作へのオマージュが散見されます。特に、往年の俳優がカメオとして出演しており、視聴者には嬉しいサプライズがあることでしょう。

ストーリー

物語は、古代遺跡の発掘現場で発生するとある連続殺人事件から始まります。現場には異様に海水が残され、被害者の体には特殊な穴が開いている奇怪な状況が続きます。テレビ局のクルー、浜野が取材中に突如失踪し、その足跡を追う仲間たちが物語の軸となります。捜査が進むにつれて、秘密めいた存在やもしくは超自然的な力にも触れることになります。

登場キャラクターと怪獣

本作品には、さまざまなキャラクターが登場します。万城目を演じる柴俊夫を筆頭に、他に多くのキャストが活躍します。特に、異星人ワダツジンと古代神獣の薙羅（ナギラ）は物語の重要な存在で、伝説に基づいてデザインされています。ワダツジンは、星野真弓の姿を通して人間に警告を発し、自然を守る役割を持っています。薙羅は古代の存在として、開発への抵抗を象徴する存在として描かれています。

映画とその後

『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』は、公開第3週からさまざまなアニメ映画と共に上映されるなど、多くの観客を楽しませました。また、後にはVHSやDVDとしてのソフト化もされており、再評価される機会も増えています。特に漫画版としてのミニ劇画も登場し、お楽しみ要素としての広がりがあります。

この作品は、ウルトラシリーズのファンにとっても新たな挑戦として受け入れられ、多くのサポートを受けて語り継がれる存在となりました。

もう一度検索