ウルリク2世 (ツェリェ伯)

ウルリク2世（1406年 - 1456年）は、スロヴェニアのツェリェ伯であり、ハンガリー語ではツィレイ・ウルリクとも呼ばれました。彼の生涯は、権力闘争と陰謀に彩られています。

生涯

ウルリク2世は、ツェリェ伯フリデリク2世とクロアチアの大貴族フランコパン家の娘エリザベタの間に生まれました。幼少期の記録は少ないものの、1434年にはセルビア専制公ジュラジ・ブランコヴィチの娘カタリナと結婚しました。

当初、ウルリクの影響力は父の存在もあって限定的でしたが、1436年に神聖ローマ皇帝ジギスムントにより帝国諸侯に叙せられました。ハプスブルク家との確執で一時的に権威を弱めたものの、後に同盟を結び、ローマ王アルブレヒト2世によってボヘミア総督に任じられました。1439年にアルブレヒトが亡くなると、未亡人エリーザベト（ジギスムントの娘）の協力者となり、1440年には彼女の息子ラディスラウス・ポストゥムス（ラースロー5世）のハンガリー王戴冠式を主宰しました。

ウルリクは新興貴族フニャディ家と対立を深めます。フニャディ・ヤーノシュはウルリクのボスニア王位継承を認めず、義父ジュラジ・ブランコヴィチを攻撃しました。1446年には、ハンガリー摂政となっていたフニャディが、ウルリクの支配下にあったクロアチアとスラヴォニアを攻めました。しかし、1448年にフニャディがコソボの戦いで敗北すると、ウルリクは1450年にハンガリーへの十字軍遠征を成功させました。1452年には、皇帝フリードリヒ3世から幼いハンガリー王ラディスラウスの後見人の地位を譲り受け、事実上のハンガリー支配者となりました。1454年に父が亡くなると、莫大な財産を相続し、さらに権勢を高めました。1456年に政敵フニャディ・ヤーノシュが死去すると、国王ラディスラウスによってハンガリー軍総司令官の地位を与えられました。

しかし、同年11月9日、ウルリクは国王とともにベオグラードに入城した直後、フニャディ・ラースローの手によって暗殺されました。この暗殺により、ツェリェ伯家の男系は途絶えることとなりました。ウルリクの野心的な性格は、人文主義者エネア・シルヴィオ・ピッコロミニ（後の教皇ピウス2世）によって批判的に描かれています。

子女

ウルリクは1434年にカタリナ・カンタクゼネと結婚し、以下の3人の子供をもうけました。

ヘルマン（1452年没）
ユーリー（1443年没）
* エリザベタ（1441年 - 1455年）…フニャディ・マーチャーシュ（後のハンガリー王マーチャーシュ1世）と婚約

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