ウロシュ・ラヨヴィチ

ウロシュ・ラヨヴィチは、1944年7月4日にユーゴスラビア（現スロベニア）のリュブリャナで生まれました。彼は、指揮者としてだけでなく、作曲家、教育者としてもその才能を発揮し、国際的に高い評価を得ています。

ラヨヴィチは、リュブリャナのギムナジウムを卒業後、1963年にリュブリャナ音楽院に進学しました。そこで、マティヤ・ブラヴニチャルとルシアン・マリヤ・シュケルヤンツに作曲を、ダニロ・シュヴァラに指揮法を師事しました。彼の音楽的才能は、この時期に大きく開花しました。

1968年、ラヨヴィチは更なる研鑽を積むためオーストリアへ留学しました。モーツァルテウム音楽院の夏期講座では、ブルーノ・マデルナの指導を受け、ウィーン国立音楽院ではハンス・スワロフスキーに指揮法を師事しました。これらの経験は、彼の指揮者としての基礎を築き、音楽的視野を広げる上で重要な役割を果たしました。

1971年から1978年まで、ラヨヴィチはスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団の補助指揮者を務めました。この間、1974年から1975年にはリュブリャーナ放送所属の室内管弦楽団の首席指揮者も兼任しています。その後、1978年にスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に昇格し、1991年までその重責を担いました。また、1979年から1981年までザグレブ放送交響楽団の首席指揮者を兼任、1984年から2002年までザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務めるなど、精力的な活動を展開しました。

1989年には、スロヴェニクム室内管弦楽団を創設し、2001年まで芸術監督を務めました。この楽団は、ラヨヴィチの芸術的ビジョンを具現化する場となり、多くの聴衆を魅了しました。

1991年から2005年まで、ラヨヴィチはスロヴェニア・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めました。また、2001年から2006年まではベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者として活躍し、2007年から翌年にかけては、スロヴェニア放送交響楽団の芸術監督も務めるなど、常に音楽界の第一線で活躍しました。2010年からは、ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術顧問として、楽団の発展に貢献しています。

教育者としてのラヨヴィチも非常に重要な存在です。1984年から1988年まで、リュブリャナ音楽院の教授として教鞭を執り、1989年からはウィーン国立音楽大学の客員教授として招聘され、1991年からは同大学の教授として、多くの音楽家を育成しました。2009年からはザグレブ音楽院でも教鞭を執り、次世代の音楽家育成に尽力しています。彼の教育に対する情熱は、多くの音楽家たちに影響を与えています。

ウロシュ・ラヨヴィチは、その卓越した指揮技術と音楽的解釈、そして教育者としての情熱を通じて、世界中の音楽ファンと音楽家に深い感銘を与え続けています。

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