ウンター・デン・リンデン

ウンター・デン・リンデン（Unter den Linden）は、ドイツの首都ベルリンを代表する大通りの一つです。この通りの名は「菩提樹の下」を意味し、実際に菩提樹の美しい並木道が続いています。散策路が通りの中央にあり、ベンチが設けられていることで、多くの人がこの場所でのんびりと過ごすことができる魅力的なスポットとなっています。通りはブランデンブルク門からプロイセン王宮に至る短い距離にあるにもかかわらず、その沿道にはベルリンの歴史を物語る多くの重要な建築物が立ち並んでいます。

歴史的建築物

ウンター・デン・リンデンを歩くと、以下のような歴史的な建物を目にすることができます。

- フランス大使館（パリ広場）
- ホテル・アドロン
- ロシア大使館
- ベルリン国立図書館
- ベルリン国立歌劇場
- ベーベル広場（旧称オペラ広場）
- フンボルト大学ベルリン
- 聖ヘドヴィッヒ聖堂
- 皇太子宮殿
- ノイエ・ヴァッヘ（戦没者国立追悼施設）
- 旧武器庫ツォイクハウス（ドイツ歴史博物館）
- ベルリン地区司令官舎（パウル・フォン・ハーゼが執務した所）
- 王宮橋（シュプレー川に架かる橋）
- ルストガルテン
- ムゼウムスインゼル（博物館島）
- ベルリン大聖堂

さらに、通りを飾る彫像の中にはフリードリヒ大王やアレクサンダー・フォン・フンボルト、ヴィルヘルム・フンボルト、ゲルハルト・フォン・シャルンホルストなど、歴史に名を残す偉人たちがいます。

通りの歴史

ウンター・デン・リンデンは1647年にフリードリヒ・ヴィルヘルム大選帝侯によって建設され、狩場であるティーアガルテンへ向かう直線の菩提樹の並木道として整備されました。また、この道は王族や貴族たちの散策路としても利用され、当時は何もない荒れ地でした。その後、都市の発展と共に沿道に新市街が建設され、通りは街の中で重要な役割を果たすこととなります。

フリードリヒシュタットやドロテーエンシュタットなどの新市街が建設された結果、ウンター・デン・リンデンはこれらの町をつなぐ重要な道となり、次第にプロイセンの絶対君主たちによって文化的施設や壮麗な建物が沿道に建てられました。1696年にはシャルロッテンブルク宮殿が完成し、通りは王宮へと延びていきました。

近代の変遷

19世紀にはベルリンの急速な発展に伴い、ウンター・デン・リンデンは繁華街としても知られるようになりました。高級ホテルや文化施設、高級店舗が並び、華麗さを誇る通りはシャンゼリゼ通りに匹敵する存在へと成長しました。また、1900年にはヨハン・シュトラウス3世がこの通りの美しさを称えたワルツ『ウンター・デン・リンデン』を作曲しました。1918年のドイツ革命時には、通りに関する歌も流行し、社会情勢の変化を反映したものとなっています。

しかし、第二次世界大戦の影響により、多くの菩提樹が失われ、戦後の困難な時期には燃料のために切り倒されました。戦後、ウンター・デン・リンデンは東ドイツ政府によって再整備され、豊富な歴史を持つこの道は徐々に復元されていきました。ドイツの再統一後も、歴史的建物の修復や再建作業が続いており、現在では観光地としても多くの人々に愛されています。

ウンター・デン・リンデンは、歴史的な魅力と美しい景観が融合する特別な場所であり、訪れる人々にさまざまな体験を提供し続けています。

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