ウーアルカイシ

ウーアルカイシ（ئۆركەش دۆلەت, Örkesh Dölet、吾爾開希）は、1968年2月17日生まれのウイグル族の民主活動家であり、1989年の天安門事件における学生運動の指導者として知られています。彼は中国語名で「ウーアルカイシ」と呼ばれることが多いですが、原音に近い「ウルケシ」と表記されることもあります。報道では「ウアルカイシ」の表記も用いられます。

ウーアルカイシは、高級幹部の子弟として北京師範大学に在籍していましたが、北京大学の王丹らと共に学生運動を主導しました。学生運動の中では比較的穏健な立場であり、当時の李鵬首相との面会も実現させています。1989年6月4日の天安門事件で学生デモが武力鎮圧された後、彼は香港を経てフランスに亡命しました。日本のテレビ番組では、同じく学生運動のリーダーであった柴玲と共に、中国政府の武力鎮圧を非難する姿が放送されています。

亡命後、ウーアルカイシはアメリカのハーバード大学やドミニカン大学で学び、その後、台湾に移住しました。台中市に居を構え、テレビのアンカーマンや政治評論家として活躍し、2004年には中華民国立法委員選挙にも出馬しましたが、落選しました。現在、彼は当時の学生運動指導者たちが中国に帰国できるよう働きかけています。2009年には、天安門事件から20年の節目を迎えるにあたり、中国への入国を試みましたが、マカオ経由での入国を拒否され送還されました。

2010年6月4日には、ウーアルカイシを名乗る男性が、東京都港区にある中国大使館前で抗議活動を行い、大使館の敷地内に侵入したため、建造物侵入の現行犯で逮捕されましたが、2日後に釈放されました。また、2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波の教え子でもあり、受賞式典への代理出席も噂されましたが、実際には空席のまま式典が執り行われました。

2014年には、台湾でひまわり学生運動が発生した際、王丹と共に学生が占拠する立法院を訪問し、彼らを激励しました。2016年のアメリカ大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプ候補が天安門事件を「暴動」と表現したことに対し、ウーアルカイシは王丹や魏京生ら他の民主化活動家と共に抗議を行い、トランプを「アメリカの価値観の敵」と非難しました。

ウーアルカイシは、現在も民主化運動の先頭に立ち続け、中国の人権状況改善と民主化を訴えています。彼の活動は、国際社会においても注目され、多くの人々から支持を集めています。

[外部リンク]
ブログ（中国語）
ウーアルカイシ (@wuerkaixi) - X（旧Twitter）

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