ウーゲット・ウービナ

ウーゲット・ウルビナ：栄光と苦難が交錯したベネズエラの剛腕

ウーゲット・ウルビナ（Ugueth Urtaín Urbina Villarreal）は、1974年2月15日生まれ、ベネズエラ出身の元プロ野球選手です。右投右打の投手として、主にMLBで活躍しました。

エクスポズでの台頭

1990年にドラフト外でモントリオール・エクスポズに入団。マイナーリーグ時代は先発投手として経験を積みました。1995年にメジャーデビューを果たし、翌年には先発として10勝を挙げる活躍を見せました。1997年からはクローザーに転向し、1999年には41セーブを記録し、見事セーブ王に輝きました。1998年にはオールスターにも初選出され、まさに絶頂期を迎えていました。

レッドソックス、マーリンズでの活躍

2001年シーズン途中にボストン・レッドソックスへ移籍。2002年には2度目のオールスター選出を果たすなど、クローザーとして安定した活躍を見せました。その後、テキサス・レンジャーズを経て、2003年にはフロリダ・マーリンズへ移籍。レンジャーズ時代は不安定だったものの、マーリンズではセットアッパーとしてチームのプレーオフ進出に貢献。プレーオフではクローザーとしてワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。

タイガース、フィリーズでのプレー

2004年にはデトロイト・タイガースへ移籍しましたが、母親の誘拐事件が発生し、シーズン途中で帰国。2005年にはフィラデルフィア・フィリーズへ移籍し、シーズン終了後にFAとなりました。

度重なるトラブル

ウルビナの野球人生は、度重なるトラブルに見舞われました。

父親の死: 1994年、父親が強盗に殺害されるという悲劇に見舞われました。
発砲事件: 2003年には、カラカスで発砲事件を起こし逮捕されました。
母親誘拐事件: 2004年には、母親が誘拐されるという事件が発生。身代金の支払いを拒否し、警察の救出作戦により母親は無事救出されました。
殺人未遂事件: 2005年には、自身の農場で働く労働者への殺人未遂容疑で逮捕、起訴されました。裁判では一貫して無罪を主張しましたが、2007年に懲役14年の判決を受けました。2012年12月に釈放されています。

選手としての特徴

ウルビナは、最速95マイル（約153km/h）のストレートとスライダー、チェンジアップを武器とする本格派右腕でした。特に、打者の手元で沈むチェンジアップは、多くの打者を苦しめました。

タイトル・表彰

最多セーブ投手：1回（1999年）
オールスター選出：2回（1998年、2002年）
* ワールドシリーズ制覇：1回 (2003年)

ウルビナは、その才能と実績とは裏腹に、数々のトラブルに見舞われた波瀾万丈な野球人生を送りました。しかし、その剛腕と不屈の精神は、多くのファンの記憶に残っています。

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