ウーゴ (イタリア王)

ウーゴ・ダルルスの生涯と業績

ウーゴ・ダルルス（Ugo d'Arles、880年頃 - 947年4月10日）は、ボゾン家の出身であり、926年から947年にかけてイタリア王として在位した政治家である。彼は同時にプロヴァンス公（911年 - 933年）およびアルル伯（911年 - 923年）の地位を持っており、その治世は政治的な動乱と権力争いに満ちていた。

生い立ちと初期のキャリア

ウーゴはアルル伯テオバルドとロタール2世の娘ベルタとの間に生まれ、若年時からアルル伯およびヴィエンヌ伯の地位を引き継ぐ。905年、彼の上司であるローマ皇帝ルイ3世がプロヴァンスに亡命した際、ウーゴは彼の首席顧問および摂政として実権を握り、911年には王の特権をほぼ独占していた。ウーゴはその間に首都をアルルに移し、ルイの異母姉ウィラと結婚した。

923年から924年にかけて、彼は母ベルタの支援を受けてロンバルディアに侵攻し、その後のイタリアの政治情勢に影響を与えた。しかし、922年頃にはイタリアの貴族たちがベレンガーリオ1世に対抗して反乱を起こし、最終的には彼の暗殺に繋がった。

イタリア王位の獲得

925年、ウーゴはイタリア王に選出され、926年にアルプスを越えて王位に就く。彼はプロヴァンス王国を実質的にイタリアに併合し、外交文書を通じてその権限を強化した。彼の治世は、中央集権的な政治体制を確立し、マジャール人から領土を守ることに成功した。928年にはフランス王ラウールと同盟を結ぶ一方、若い息子ロターリオ2世を次の王として戴冠させるなど、権力の世襲を意図していた。

結婚と権力の試み

ウーゴはこれまでに3度結婚しており、最初の妻はボソ王の娘ウィラであり、2番目の妻はアルダ（925年 - 954年）で、彼との間にロターリオ2世をもうけた。931年の第三の結婚相手マロツィアとの間には子がいなかったが、この結婚は教会法に反していたため、さらなる権力を求める試みは失敗に終わった。さらに、931年、彼は異父弟ランベルトを廃位させるなど、周囲の反発を強めていった。

932年に起きたクーデターは、ウーゴの権力基盤を損ね、以降は彼の影響力が減少した。945年、彼はイヴレーア辺境伯ベレンガーリオに敗北し、王位から廃位されるが、名目上の王位を保持し続けることに成功した。

晩年と死

ウーゴは947年までプロヴァンスに隠れ住みながら、名目上の王位を保持し、イタリアの政治に影響を与え続けた。彼の死後、子供たち、特にロターリオ2世が王位を継いだが、ウーゴが築き上げた権力の継承は一定の課題を抱えていた。

家族と後継者

ウーゴの結婚からは多くの子供が生まれ、彼の息子ロターリオ2世はイタリア王、そしてローマ皇帝となりその地位を確立。また、ウーゴは自らの庶子たちに多くの地位を与え、特にミラノ大司教の座など重要なポジションを占めさせた。これにより、彼はプロヴァンスのみならず、イタリア全体においても影響力を振るっていた。政治的な試みと困難を乗り越えてきたウーゴ・ダルルスは、イタリアの歴史において重要な役割を果たした人物である。

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