ウーゴ・フォスコロ

ウーゴ・フォスコロについて

ウーゴ・フォスコロは1778年にイタリアのザキントス島で生まれた著名な詩人及び小説家です。彼はイタリアロマン主義の先駆者として知られ、特に書簡形式の小説「ヤーコポ・オルティスの最後の手紙」と詩「墳墓」という作品により、イタリア文学に大きな足跡を残しました。

生い立ち

フォスコロの父はヴェネツィアの貴族で医師、母はギリシャ出身の女性でしたが、父親が1788年に亡くなった後、一家はヴェネツィアに移住します。そこで彼はパドヴァ大学に通い、特にメルキオーレ・チェザロッティから大きな影響を受けることとなります。1797年にはナポレオンに感銘を受け、「解放者ボナパルト」と題する頌歌を捧げていますが、同年のカンポ・フォルミオ条約によってヴェネツィア共和国がオーストリアに引き渡されると、フォスコロは深い失望と衝撃を受けます。この事件は彼の後の作品に影響を与え、「ヤーコポ・オルティスの最後の手紙」には彼の当時の心情が色濃く反映されています。

文学活動と政治活動

フォスコロはヴェネツィアから亡命し、フィレンツェを経てミラノに移り住みます。ここで詩人ジュゼッペ・パリーニとの友情を深めつつ、ナポレオン軍に志願して様々な戦闘に参加。負傷や捕虜になった後も執筆活動を続け、また翻訳や文学評論にも精力的に取り組みます。

1806年にはナポレオンの勅令を受けたことを契機に「墳墓」を執筆し、これは295種類のエンデカシッラボで構成された彼の代表作となります。この作品はイタリア文学で重要な位置を占めています。

1813年のライプツィヒの戦いでナポレオン軍が敗北し、1814年にはオーストリアの脅威から逃れるためスイスに避難。その後、イギリスに渡り、現地での講義活動や雑誌への寄稿を行う一方、自身の経済的困難にも直面しました。

最晩年と死

ロンドンでの生活は厳しく、借金で困窮していたため一時的に債務者監獄に収監されることに。しかし、1827年にロンドンで静かに息を引き取りました。その後の彼の遺体は1871年にイタリア政府によって故郷のフィレンツェに移葬され、名だたるイタリアの偉人たちと共に眠っています。

主な業績

フォスコロの主要な作品には、

• - 「A Bonaparte liberatore」(1797)
• - 「Ultime lettere di Jacopo Ortis」(1802)
• - 「Dei sepolcri」(1807)

などがあり、彼の文才は後世に多大な影響を与えました。特に「最後の手紙」は日本でも翻訳され広く読まれています。

ウーゴ・フォスコロは、イタリア文学界において非常に重要な存在であり、その作品は今もなお議論と研究の対象となっています。

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