ウーブン・バイ・トヨタ

ウーブン・バイ・トヨタ株式会社について

ウーブン・バイ・トヨタ株式会社（Woven by Toyota, Inc.、略称: WbyT）は、トヨタ自動車グループにおける研究開発の中核を担う企業です。2021年1月に、前身であるトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社（TRI-AD）から組織再編を経て設立されました。

基本理念

「Mobility to Love, Safety to Live」をビジョンに掲げ、自動運転技術を始めとする先進的かつ安全なシステムを世界中の人々に提供することを使命としています。既存の枠にとらわれない大胆な変革と新たな価値創造を加速させ、モビリティ社会の発展に貢献することを目指しています。

事業概要

設立当初、ウーブン・バイ・トヨタは以下の3つの主要部門で構成されていました。

Woven Core: 自動運転技術の開発・実装、市場導入を担う
Woven Alpha: 先進的な安全システム開発、Woven Cityなどの新規事業機会の探索と推進
Woven Capital: 革新的な技術やビジネスモデルを持つ成長企業への投資

これらの部門は、グループ全体の戦略的な意思決定や共有サービスの提供、新規事業開発を包括的に担っていました。特に、スマートシティ「Woven City」においては、コネクテッドモビリティやロボティクスの技術実証をトヨタ自動車やパートナー企業と連携して行っています。

開発スタイル

ウーブン・バイ・トヨタは、ソフトウェアファーストのアジャイル開発を重視し、グローバルな人材採用と社内公用語の英語化を推進しています。従来のトヨタグループとは異なる、次世代型の開発スタイルを確立し、トヨタグループにおける新しい働き方のモデルケースとなることを目指しています。東京・日本橋に拠点を置き、2019年に本格稼働を開始したオフィスは、第33回日経ニューオフィス賞でクリエイティブ・オフィス賞を受賞しました。

トヨタグループのソフトウェア開発体制の再編

2023年10月より、トヨタグループ全体のソフトウェア開発体制が再編され、トヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタ、デンソーの3社がそれぞれの役割を担うこととなりました。

トヨタ自動車: 自動車のユーザーインタラクション企画や全体設計
ウーブン・バイ・トヨタ: 社会システム企画、ソフトウェア開発基盤、アプリケーション開発
デンソー: ソフトウェアプラットフォームやアプリケーションの実装

沿革

2018年3月: トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント株式会社（TRI-AD）設立。ジェームス・ジョセフ・カフナー・ジュニアがCEOに就任。
2021年1月: ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社設立。傘下に事業会社のウーブン・コア、ウーブン・アルファ、投資ファンドのウーブン・キャピタルが置かれ、これらを総称してWoven Planet Groupとする。
2023年3月期: 60億円の債務超過。
2023年4月1日: ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社からウーブン・バイ・トヨタ株式会社に社名変更。
2023年10月1日: デンソーの子会社である株式会社JQuAD DYNAMICSの代表取締役社長であった隈部肇氏が、ウーブン・バイ・トヨタのCEOに就任。前CEOのカフナー氏は退任し、トヨタ自動車のデジタルソフト開発センターのシニアフェローに就任。
2023年10月: 豊田章男氏が保有していた5%分の株式を、トヨタ自動車が51億円で取得し、完全子会社化。
2024年3月期: 258億円の債務超過。2年連続の債務超過となる。

関連企業

トヨタ自動車
トヨタ・リサーチ・インスティテュート
アイシン
デンソー

外部リンク

ウーブン・バイ・トヨタ公式サイト
Woven by Toyota (@Woven_Toyota) - X（旧Twitter）
Woven by Toyota - LinkedIn
* Woven by Toyota - YouTubeチャンネル

まとめ

ウーブン・バイ・トヨタは、トヨタグループの変革を担う重要な企業であり、自動運転技術、スマートシティ開発、ソフトウェア開発におけるイノベーションを推進しています。従来の自動車産業の枠にとらわれず、モビリティの未来を創造するための新たな挑戦を続けています。

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