エア・ベルリン

エア・ベルリンについて

エア・ベルリン（Air Berlin）は、ドイツを拠点に多数の国内外の路線を運航していた航空会社で、特に格安航空会社（LCC）として知られていました。創業は1978年で、アメリカのオレゴン州で「Air Berlin Inc.」として始まりました。当初はボーイング707を使用し、西ベルリンと西ドイツ、西ヨーロッパ、地中海地域のリゾート地に就航していました。

歴史的背景

冷戦時代のドイツにおいて、ルフトハンザなどの大手航空会社は西ベルリンに乗り入れられなかったため、エア・ベルリンはその隙間を埋める形で成長しました。1991年にはドイツに資本を移し、正式に「Air Berlin GmbH & Co. Luftverkehrs KG」を設立しました。その後、1997年には国際航空運送協会（IATA）に加盟し、業務を拡大していきました。

拡大と国際進出

エア・ベルリンは、オーストリアの格安航空会社ニキ航空の株式を取得し、2006年にはDBAを完全子会社化しました。また、2007年にはLTUインターナショナルを買収し、欧州で6番目の規模の航空会社グループを形成しました。2012年3月には航空連合ワンワールドに加盟し、国際的なプレゼンスを強化しました。

日本への運航は、エティハド航空とのコードシェアによって行われ、名古屋（中部）や東京（成田）へも就航していました。都市間の連携や市場のニーズに応える形で、エア・ベルリンは様々な提携を通じてそのサービスを広げ続けました。

経営の困難と破綻

しかし、2008年以降、エア・ベルリンは厳しい経営状況に直面しました。特に2016年度には7億8190万ユーロの赤字を計上し、経営再建が進まない中、2017年にはエティハド航空からの支援が打ち切られました。8月15日には破産手続きの申請を行い、その後も様々なトラブルが続きました。

2017年10月27日、エア・ベルリンの最終便が運航された際、その便のコールサインは特別な意味を持つ「BER4EVR」とされ、エア・ベルリンは幕を閉じました。多くの従業員はルフトハンザ・ドイツ航空に吸収され、新しい道を歩むこととなりました。

就航都市

エア・ベルリンは幅広い就航ネットワークを持ち、アフリカ、北米、カリブ海諸国、高い需要のあるヨーロッパ内に多くの都市に繋がっていました。エジプトのフルガダ、アメリカのニューヨークやロサンゼルス、トルコのアンタルヤ、さらには多くのヨーロッパの都市に就航し、国際的な旅行客のニーズに応えていました。

特徴とサービス

エア・ベルリンは、格安航空会社でありながら、座席指定制や機内食、機内エンターテインメントなど、一部のサービスを提供していました。オペレーションにおいては、中小空港だけでなく大手空港へのアクセスもあり、多くの利用者にとって便利な選択肢となっていました。航空券の座席予約にはアマデウスのシステムが利用されていたなど、先進的なシステム利用もうかがえます。

このようにエア・ベルリンは、航空業界においてユニークな存在ではありましたが、最終的には経営の厳しさから破たんに至りました。

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