エイス・ワンダー

エイス・ワンダー（Eighth Wonder）は、1980年代に活躍したイギリスのポップバンドです。その中心メンバーであり、ボーカルを務めたのは当時17歳だったパッツィ・ケンジット。彼女の実兄でドラマーのジェイミーと共に、1983年に結成された「スパイス」というバンドが前身となっています。最終的に6人組となったエイス・ワンダーは、パッツィの女優としての活動と並行して音楽活動を開始しました。

パッツィはデビュー前からすでにイギリスで女優として活躍しており、デビュー直前まで映画『ビギナーズ』の撮影に参加していたという経歴を持ちます。1985年にデビューを果たすと、デビュー曲の「ステイ・ウィズ・ミー」が本国イギリス以上にイタリアで大反響を呼び、チャート1位を獲得するほどの人気となりました。さらに、この曲は日本でもフジテレビのキャンペーンソングとして使用され、1986年にはオリコン洋楽シングルチャートで8週連続1位を記録する大ヒットとなりました。

その後も、エイス・ワンダーの勢いは衰えることなく、ノエビア化粧品のCMソングとして起用された「浮気なテディ・ボーイ（When The Phone Stops Ringing）」も1987年にオリコン洋楽シングルチャートで3週連続1位を獲得。1988年にはアルバム『クロス・マイ・ハート（Fearless）』もオリコン洋楽アルバムチャートで2週連続1位を獲得するなど、日本での人気は非常に高いものでした。

メンバー構成は最終的に4人となり、1988年にはペット・ショップ・ボーイズが楽曲提供した「モンマルトルの森 (I'm Not Scared)」で、初めてイギリスのトップ10入りを果たしました。しかし、パッツィ自身が女優としてのキャリアを優先したいという意向を示したため、バンドは実質的な解散状態となります。

その後、パッツィは女優としての活動を本格化させ、映画『リーサル・ウェポン2』などにも出演し、女優として成功を収めています。

エイス・ワンダーは、その短い活動期間にも関わらず、多くのヒット曲を生み出し、特に日本では非常に高い人気を誇ったバンドでした。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム
『ブリリアント・ドリームス』 - Brilliant Dreams (1987年、Epic) ※日本限定
『クロス・マイ・ハート』 - Fearless (1988年、CBS/Epic)

コンピレーション・アルバム
『ベスト・リミックス』 - The Best Remixes (1989年、Epic) ※日本限定
The Remix Anthology (2014年、Cherry Pop)

関連事項

ペット・ショップ・ボーイズ: 「モンマルトルの森 (I'm Not Scared)」を提供した。
世界の七不思議: バンド名である「エイス・ワンダー（第八の不思議）」は、七不思議を超える驚異という意味で名付けられた。

もう一度検索