エイドリアン・ダントリー

エイドリアン・デラノ・ダントリー

エイドリアン・デラノ・ダントリー（Adrian Delano Dantley）は、1955年2月28日にアメリカ合衆国で生まれ、NBAの歴史にその名を刻んだ元プロバスケットボール選手です。彼はスモールフォワードとして活躍し、特に1980年代においては、優れたスコアラーとして知られています。ダントリーは2度の得点王に輝き、2008年にはバスケットボール殿堂入りを果たしました。

経歴

学生時代

ワシントンD.C.出身のダントリーは、デマッサ・カトリック高校でその才能を開花させました。彼は奨学金を得て名門ノートルダム大学に進学し、進学早々にそのスキルを証明しました。1974年、彼が所属していた大学のチームは、伝説的な強豪UCLAの連勝を88で止める大金星をあげ、ダントリーはその中心選手として注目されました。彼は2年次と3年次にそれぞれ平均30.4得点、28.6得点を叩き出し、両年ともオールアメリカ1stチームに選出されました。大学3年間を通じての平均成績は25.8得点、9.8リバウンドで、通算得点2,223は学校史上3位の記録です。

また、1976年にはモントリオール五輪においてアメリカ代表として出場し、平均19.3得点をあげ、金メダル獲得に寄与しました。

プロキャリア

1976年、ダントリーはNBAドラフトにアーリーエントリーし、全体6位でバッファロー・ブレーブスに入団しました。彼の1年目は平均20.3得点を記録し、新人王とオールルーキー1stチームに選ばれましたが、シーズン終了後にインディアナ・ペイサーズにトレードされました。1977年にはロサンゼルス・レイカーズに移籍し、カリーム・アブドゥル＝ジャバーと共にチームを引っ張りましたが、怪我の影響で1979年にはユタ・ジャズにトレードされました。

ユタ・ジャズでは、その実力がさらに発揮され、1979-80シーズンには平均28.0得点をあげ、初のオールスターに選出されました。1980-81シーズンには30.7得点を記録し、得点王に輝きました。以降も高得点を挙げ続け、1982-83シーズンには57得点をあげるなど、そのプレーが際立ちましたが、同シーズン中に手首の怪我で長期離脱を強いられました。しかし、1983-84シーズンには平均30.6得点で復活し、再び得点王に輝きました。

ダントリーは1985-86シーズンにデトロイト・ピストンズに移籍し、個人成績は落ちましたが、チーム得点王を継続してかつ、1988年にはNBAファイナルにも進出。しかし、ロサンゼルス・レイカーズに敗れました。シーズン中のチームとのトラブルが影響し、1989年にはダラス・マーベリックスに移籍しました。その後は怪我に悩まされる中で、1991年にはミルウォーキー・バックスと契約し、NBAを離れた後はイタリアでのプレーを経て現役を引退しました。

NBAでの通算成績は、955試合出場で23,177得点、5,455リバウンドを記録し、フィールドゴール成功率は.540という驚異的な数字を残しました。

引退後

引退後、ダントリーはカレッジでアシスタントコーチとして活動した後、デンバー・ナゲッツのアシスタントコーチを務めました。特に2009-10シーズン中には、がんで闘病中のヘッドコーチの代行として指揮を執ることもありました。彼の背番号「4」はユタ・ジャズで永久欠番として記録され、2008年には殿堂入りを果たしました。

プレースタイル・人物

ダントリーは、196cmという体格ながらもパワーフォワードのようなスタイルでプレーし、高確率のミドルショットやローポストでの得点を得意としていました。フィールドゴール成功率.540は、他のポジションでは考えられない数字で、特にフリースローにおいてはキャリア全体の成功数が歴史的に高い数字を誇ります。ダントリーは、特注の中敷きを使ったことで知られている選手でもあり、彼のプレーはその姿勢とスキルによって輝きました。また、彼の紳士的な性格も周囲から高く評価されています。

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