エイミー・グッドマン

エイミー・グッドマン：真実を追求するジャーナリスト

エイミー・グッドマン（Amy Goodman）は、1957年4月13日生まれのアメリカ合衆国のジャーナリスト、コラムニスト、作家です。彼女は、平和と人権運動に関する報道と、独立系メディアに対する支持活動で広く知られています。特に、東ティモールやナイジェリアにおける人権侵害に関する調査報道は、彼女の代表的な業績として高く評価されています。

ジャーナリストとして初めて、環境保護と人権活動に貢献した人物に贈られるライト・ライブリフッド賞を受賞しています。彼女の活動は、既存の権力構造に挑戦し、社会の不正を明らかにするという強い意志に基づいています。

生い立ちとキャリア

ニューヨーク州ベイショアで、眼科医の父と教師の母の間に生まれたグッドマンは、4人兄弟の2番目として育ちました。ユダヤ教超正統派のラビを先祖に持つ一族でしたが、活動家でもあった両親のもとで自由な環境で育ちました。1984年にラドクリフ女子大学（現ハーバード大学）の人類学部を卒業後、ニューヨークに移り住み、独立系ラジオ局WBAIの熱心なリスナーとなりました。ドキュメンタリービデオ制作のクラスを受講後、WBAIのボランティアスタッフとして数年間活動し、その後、同局のニュース・ディレクターに就任しました。

1996年には、ラジオ番組「デモクラシー・ナウ!戦争と平和レポート」を共同創立者として立ち上げ、現在も番組のホストを務めています。この番組は、独立系メディアとして、主流メディアが報じない社会問題や政治的な不正を深く掘り下げ、多くのリスナーから支持を得ています。

危険を冒した取材活動

グッドマンのジャーナリストとしての活動は、常に危険と隣り合わせでした。1991年11月12日、東ティモールの独立運動を取材中に、サンタクルス事件（インドネシア軍による東ティモール人の虐殺事件）に遭遇し、軍隊から激しい攻撃を受けました。彼女と仲間のジャーナリストであるアラン・ネアンは、辛うじて一命を取り留めましたが、自分たちの命を救ったのは、アメリカのパスポートだったのではないかと感じたといいます。当時、アメリカはインドネシアの軍隊を支援しており、その後も1993年まで支援を続けました。

1998年には、ジャーナリストのジェレミー・スケイヒルと共に、石油会社シェブロンがナイジェリアの軍隊と村人たちの対立において果たした役割を明らかにするドキュメンタリー"Drilling and Killing: Chevron and Nigeria's Oil Dictatorship"を制作し、ロングアイランド大学のジャーナリズム賞を受賞しました。この作品は、多国籍企業による環境破壊と人権侵害の問題を浮き彫りにし、大きな反響を呼びました。

逮捕と抗議

2008年、ミネソタ州セントポールで開催された共和党大会において、反戦抗議運動を取材していた「デモクラシー・ナウ!」のジャーナリスト数名が逮捕され、彼らの釈放を求めていたグッドマン自身も騒乱罪の疑いで逮捕されました。この逮捕の様子はビデオに記録され、違法な逮捕であり、表現の自由に対する抑圧であるとして、多くの批判が寄せられました。

著作と映像作品

グッドマンは、数多くの著作を通じて、彼女のジャーナリストとしての視点と社会に対する批判的なメッセージを発信しています。

The Exception to the Rulers: Exposing Oily Politicians, War Profiteers, and the Media That Love Them (2004年)
Static: Government Liars, Media Cheerleaders, and the People who Fight Back (2006年)
Standing up to the Madness: Ordinary Heroes in Extraordinary Times (2008年)
Breaking the Sound Barrier (2009年)
The Silenced Majority: Stories of Uprisings, Occupations, Resistance, and Hope (2012年)
Democracy Now!: Twenty Years Covering the Movements Changing America

また、2011年のアメリカ映画『スライヴ THRIVE』にも出演しています。

メディアと社会への貢献

エイミー・グッドマンは、ジャーナリストとして、常に権力に立ち向かい、社会の不正を告発し続けています。彼女の活動は、多くの人々に勇気を与え、社会変革の原動力となっています。独立系メディアの重要性を訴え、真実を追求する姿勢は、ジャーナリズムの模範として、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

彼女が共同設立した「デモクラシー・ナウ！」は、ウェブサイトやYouTubeチャンネルを通じて、世界中に情報を発信しています。

Democracy Now! 英語公式サイト
デモクラシー・ナウ! 日本語公式サイト

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