エウク

ポーランド北東部の湖畔都市、エウク

エウク（ポーランド語: Ełk）は、ポーランド北東部に位置する都市であり、ヴァルミア・マズールィ県の主要都市の一つです。1939年以前はウェング (Łęg) やウェンク (Łęk) と呼ばれていました。ドイツ名はリュック（Lyck）です。

地理と自然

エウクは、氷河によって形成された美しいエウク湖のほとりに位置し、周囲を深い森に囲まれています。この地域は、マズールィ地方の一部であり、豊かな自然環境が特徴です。森林地帯では狩猟も盛んに行われています。

歴史

エウクの歴史は古く、1398年にはドイツ騎士団によって城が築かれました。都市の名前の由来には諸説あり、プロシア語の「Luks」（スイレンの意味）やポーランド語の「łęg」（草地）などが考えられています。

中世から近世

15世紀には都市として発展し、16世紀にはプロイセン公アルブレヒトが印刷所を誘致し、宗教改革の波が押し寄せました。ポーランド語による教育も行われ、文化的な中心地としての役割も担いました。

近代

18世紀から19世紀にかけては、疫病やコレラの流行に見舞われ、多くの犠牲者が出ました。しかし、ポーランド語学校が開設されるなど、ポーランド文化の復興の動きも見られました。

19世紀後半から20世紀初頭にかけては、ドイツ帝国の影響下でゲルマン化政策が進められましたが、ポーランド人やマズーリ人の抵抗運動も活発に行われました。マズーリ人民党の結成やポーランド語新聞の発行など、民族自決の動きが見られました。

20世紀

第一次世界大戦では、ロシア軍の侵攻を受けましたが、戦後はドイツ領として存続しました。しかし、第二次世界大戦では激しい戦火に見舞われ、多くの犠牲者が出ました。戦後、エウクはポーランド領となり、復興が進められました。

現代

現代のエウクは、ヴァルミア・マズールィ県の重要な都市として、経済、文化、観光の中心地となっています。エウク湖や周辺の自然環境を生かした観光開発が進められています。

紋章

現在のエウクの紋章は、1999年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が訪れた後に制定されました。以前の紋章からデザインが変更され、法王の徽章が加えられています。

地区

エウクは、以下の13の地区に分かれています。

バランキ (Baranki)
ツェントルム (Centrum)
イェジオルナ (Jeziorna)
コニェツキ (Konieczki)
オシェドレ・ボグダノヴィチャ (Osiedle Bogdanowicza)
オシェドレ・グルンヴァルドズキェ (Osiedle Grunwaldzkie)
オシェドレ・コハノフスキェゴ (Osiedle Kochanowskiego)
オシェドレ・ヴチャソヴェ (Osiedle Wczasowe)
ポド・ラセム (Pod Lasem)
プウノツ第一 (Północ I)
プウノツ第二 (Północ II)
シバ (Szyba)
ザトルゼ (Zatorze)

宗教

かつてはルーテル派が多数を占めていましたが、戦後はカトリックが中心となりました。プロテスタントの教会も存在し、多様な信仰が共存しています。

ゆかりの人物

エウクは、多くの著名な人物を輩出してきました。ドイツ人医師のテオドール・シモン・フラタウ、ポーランド人活動家のカロル・バールケ、ドイツ人作家のジークフリート・レンツなどがエウクにゆかりがあります。

姉妹都市

エウクは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ハーゲン（ドイツ）
リダ（ベラルーシ）
ネッテタール（ドイツ）
ネメンチネ（リトアニア）
バーリントン（アメリカ合衆国、バーモント州）
ガラトーネ（イタリア）
オルバッサーノ（イタリア）
* オジョルスク（ロシア、カリーニングラード州）

エウクは、豊かな自然と歴史、文化が融合した魅力的な都市です。ぜひ一度訪れてみてください。

もう一度検索