エキシビション・スタジアム

エキシビション・スタジアムは、かつてカナダのオンタリオ州トロントに存在した多目的スタジアムです。オンタリオ湖畔に位置し、1959年から1988年まではカナディアン・フットボール・リーグ（CFL）のトロント・アルゴノーツ、1977年から1989年まではMLBのトロント・ブルージェイズが本拠地として使用していました。

1986年には、WWE（当時WWF）の大会「ザ・ビッグ・イベント」が開催され、スタジアム史上最多となる74,000人もの観客を動員しました。この大会は、ハルク・ホーガン対ポール・オーンドーフという当時の人気カードが組まれたこともあり、大きな話題を呼びました。

しかし、オンタリオ湖のほとりに建設されたため、春や秋は非常に寒く、気候条件が厳しいことでも知られていました。1977年4月7日のシカゴ・ホワイトソックス戦では、フィールドが雪に覆われた状態で試合が行われ、観客や選手を驚かせました。また、1984年には強風のために試合が中止になるという、大リーグ史上でも珍しい出来事も起こっています。

湖畔に位置していたため、周辺には多くの鳥が生息していました。その鳥にまつわる珍事件も発生しています。1983年8月4日のニューヨーク・ヤンキース戦で、ヤンキースのデーブ・ウィンフィールドが、グラウンドにいた鳥を追い払おうとしてボールを投げたところ、不運にもボールが鳥に直撃し、鳥が死んでしまいました。この行為に対し、ウィンフィールドは試合後、動物虐待の容疑で警察に一時拘留されるという事態に発展しました。もっとも、最終的には不起訴処分となっています。

エキシビション・スタジアムは、そのユニークな立地条件と、そこで繰り広げられた数々のドラマによって、多くの人々の記憶に残るスタジアムです。寒さや強風、鳥に関する珍事など、他のスタジアムではなかなか見られない出来事が、このスタジアムの個性を際立たせていました。ブルージェイズが新球場スカイドーム(現ロジャースセンター)に移転してからは取り壊されました。

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