エキュ

エキュ（écu）についての詳細

エキュはフランスにおけるいくつかのコインの総称で、その語源は「盾」を意味します。コインには伝統的に紋章が描かれた盾のデザインが施されています。また、エキュと同様の由来を持つ通貨名称として、スクードやエスクードなども存在します。

歴史的背景

エキュの起源を遡ると、1266年にルイ9世によって発行された金貨が最初のエキュとして知られています。この金貨は当初、限定的に流通しました。その後、エキュには銀貨も発行され、区別のために金貨のエキュは「エキュ・ドール」（écu d'or）、銀貨のエキュは「エキュ・ダルジャン」（écu d'argent）という名称が付けられました。

ルイ13世の時代には、大型の銀貨が発行され、これは3リーヴル・トゥルヌワ（Tournois ポンド）に相当する価値を持っていました。その後、1690年から1725年にかけてエキュの価値は変動し続け、1726年には新しいエキュが発行され、最終的に6リーブル・トゥルヌワの価値に固定されました。

しかし、エキュはフランス革命によって姿を消しました。それでも19世紀中は、5フラン銀貨がエキュと呼ばれていました。これは、エキュが歴史の中で持つ特別な意味を示すものです。

ECUとの関連性

エキュは、ユーロが導入される前に、ヨーロッパ共同体（EC）および欧州連合（EU）で使用されていたバスケット通貨、すなわちヨーロッパ通貨単位（European Currency Unit）とも関連しています。この通貨は略称で「ECU」と呼ばれ、その名称はフランスの硬貨名である「エキュ」と非常に似ていたため、議論を呼びました。

1995年のマドリードでのEU首脳会議において、ユーロという名称に統一されることが決まりました。この結果、ECUはフランスのエキュとは異なる意味を持つ新たな通貨単位として歴史に名を残しました。

まとめ

エキュはフランスの通貨史において重要な役割を果たしており、そのデザインや歴史的な背景は多くの人々に愛され続けています。フランス革命以降も、エキュは若干の変化を経ながらも、その名は他の通貨と結びついて存続し続けました。通貨の統合や変遷がある中で、エキュはフランスの文化と経済の歴史を反映する重要なシンボルと言えるでしょう。

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