エクスタミネーター

エクスタミネーター（The Exterminator）

『エクスタミネーター』は、1980年に公開されたアメリカのバイオレンス・アクション映画で、ロバート・ギンティとクリストファー・ジョージが主演しています。監督はジェームズ・グリッケンハウスで、彼の出世作ともなりました。本作はベトナム戦争の影響が色濃く感じられるストーリーが展開され、復讐の要素とアクションが融合しています。

あらすじ

物語は、ベトナム戦争に参加していたジョンが捕虜となり、処刑の瞬間に戦友マイケルの救出によって難を逃れるところから始まります。戦争から帰還後、再び同じ職場で働く2人は、平穏な日常を送っていました。しかし、ある日、マイケルが街のチンピラからジョンを守ったことで、逆にチンピラの手によって重傷を負わされ、廃人同然の状態になってしまいます。この出来事はでは、表向きの正義が全く機能しないことを象徴しています。

怒りに燃えたジョンは、警察の無力さを痛感し、自ら手を下して復讐を決意します。次々と悪党を排除していく彼は、次第に“エクスタミネーター”として恐れられる存在になっていきます。世間では、彼の行為が英雄視されますが、一方でニューヨーク市警察のダルトン警部は、エクスタミネーターを捕まえるために執念を燃やし、その正体を突き止めることに成功します。

物語はクライマックスへと進行し、ジョンとダルトン警部は夜の港で対決の場を迎えます。だが、その瞬間、不意に銃撃戦が始まります。実は、エクスタミネーターの影を追っていた別の勢力が存在しており、物語は予期せぬ展開を見せます。

映画の影響

本作は特に、主人公の復讐劇や暴力描写が注目され、観客に強いインパクトを与えました。スタン・ウィンストンが手掛けた特殊メイクは、ホラー映画さながらのリアルな描写を生み出しており、観る者に強烈な印象を残します。復讐や正義というテーマは多くの映画に影響を与え、後の作品でも類似したキャラクターやストーリーが描かれるようになりました。

本作には続編『エクスタミネーター2』も制作されており、こちらでもジョンの復讐が続く様子が描かれています。さらに、ストリートミュージシャン役でスタン・ゲッツ、エキストラとしてサミュエル・L・ジャクソンも出演していることが話題となりました（ジャクソンはクレジットなしでの出演です）。

『エクスタミネーター』は、ただのアクション映画にとどまらず、人々の深い怒りや復讐心を描いた作品であり、今なお色あせることなく、多くのファンに支持されています。

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