エクステ (映画)

エクステ

『エクステ』は、2007年2月17日に公開された日本のホラー映画です。本作は姉妹の絆、悲劇、そして髪の毛に宿る怨念をテーマにしています。物語は、海辺の美容室「ジル・ド・レエ」で働く美容師の卵・水島優子を中心に展開されます。

あらすじ

主人公の水島優子は、一流の美容師になるために日々努力を続けています。彼女はダンサー志望の友人、森田由紀と同居しながら生活を送り、充実した日々を送っていました。そんなある日、実の姉・清美から姪である少女・水島マミを預かることになります。優子は最初はマミを厄介者として扱いますが、彼女が母から虐待を受けていたことに気づくことで、次第に心の絆を深めていきます。優子の優しさによって、心を閉ざしていたマミも徐々に心を開き、明るさを取り戻していく様子が描かれています。

一方で、横浜港では衝撃的な事件が発生します。巨大コンテナからは大量の髪の毛と少女の遺体が発見され、その少女は臓器売買の被害者でした。死後も髪が伸び続けるという異常な状態で、その髪の毛は後に様々な悲劇を引き起こします。死体安置所で働く山崎ぐんじは、髪フェチとして知られ、発見された少女の髪を用いてエクステを作り、美容室に提供していくのです。

登場人物

水島優子（演：栗山千明）

本作の主人公で、美容師の卵。過去に姉からの虐待を受けていた経験を持ちながら、マミを妹のように可愛がるようになります。

水島マミ（演：佐藤未来）

優子の姪で、母から虐待を受けて心を閉ざしていた少女。優子の優しさに触れ、少しずつ心を開いていきます。

森田由紀（演：佐藤めぐみ）

優子の友人でダンサー志望。優子の家にマミが預けられて戸惑いながらも、彼女に優しく接します。

水島清美（演：つぐみ）

優子の姉で、マミの実母。冷酷な性格で、妹や娘に虐待を行います。

山崎ぐんじ（演：大杉漣）

警察署の死体安置所に勤務する職員で、本作の黒幕。無類の髪フェチで、少女の遺体から髪を切り取ってエクステを作ります。

物語の進行

物語は優子とマミの関係が深まる過程と、山崎の行動が描かれ、最終的にはエクステが持つ怨念が次々と犠牲者を生み出す展開になっていきます。山崎が製作したエクステをつけた女性たちは、髪の毛の呪いにより命を奪われていき、物語は衝撃的な展開に突入します。

終盤に至り、少女の怨念が山崎に向かい、展開されるクライマックスは観る者に強い印象を残します。物語の結末では、少女の髪が彼女本来の美しい姿に戻り、安らかに成仏する場面が描かれており、作品に重厚なテーマを与えています。

『エクステ』は、単なるホラー映画にとどまらず、深い人間ドラマと恐怖が織り交ぜられた作品と言えるでしょう。

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