エクスフィニティ・シリーズ

エクスフィニティ・シリーズ (Xfinity Series)

エクスフィニティ・シリーズは、アメリカの自動車レース団体NASCARが主催するストックカーレースの一つであり、モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズの下位カテゴリーです。このシリーズは、カップシリーズにステップアップしたいと考えるドライバーたちの競技舞台となっています。

このイベントは、モンスターエナジー・カップシリーズと同じ開催地で行われることが多く、ファンにとっては両方のレースを楽しむ絶好の機会となります。さらに、カップシリーズのドライバーも多く参戦しており、同じ週末に両レースを制覇する選手もいるため、非常に魅力的なレースイベントとなっています。

エクスフィニティ・シリーズは、NASCARカップ系列に次ぐ人気を誇り、視聴率はインディカーやNHRAを大きく上回ります。このシリーズのルーツは、1950年代にさかのぼり、当初はNASCARのショートトラック・ディビジョンの一部であったスポーツマン・ディビジョンから派生したものです。その後、1970年代から80年代にかけて、シリーズ名は何度も変更され、元々はバドワイザー・レイトモデル・スポーツマン・シリーズと呼ばれていました。

シリーズの重要な転機は、1982年にバドワイザー社がスポンサーとなったことに始まりました。この変更を経て、1984年にはブッシュ・グランドナショナル・シリーズと改名され、さらに2003年には「フルコマーシャル」としてブランド名がリフレッシュされました。2008年以降は、ネイションワイド・インシュアランスがスポンサーを務め、このシリーズ名がネイションワイド・シリーズに改称されました。2014年には、ケーブルテレビのエクスフィニティが新たなスポンサーとなり、現在の名称に至ります。

エクスフィニティ・シリーズで使用される車両の特性は、スプリントカップ車両とはいくつかの点で異なります。例えば、ホイールベースの短縮や軽量化、エンジンの出力などがその例です。このシリーズでは、スプリントカップシリーズのV8エンジンの代わりにV6エンジンを使用し、パフォーマンスも異なる固定規格の車両が用意されています。さらに、シャーシはNASCARの規格に基づく鋼製パイプフレームが用いられ、運転手を除いた車両の最低重量は約1451kgです。

また、エクスフィニティ・シリーズはアメリカ国内だけでなく、カナダやメキシコでもレースが行われることがあり、国境を越えた人気を持つシリーズです。近年では、各種のスポンサーシップや放送契約も成立し、自動車レースの楽しみ方が更に多様化しています。

このように、エクスフィニティ・シリーズは歴史、車両構成、開催地などの要素が相まって、NASCARの中でも重要な位置を占めているストックカーレースのカテゴリーとなっています。ファンにとっては、刺激的でエキサイティングなレースが展開される場所であり、ドライバーたちにとっても自身のキャリアを広げる大切なステージです。

もう一度検索