エクスプローラー17号

エクスプローラー17号（Explorer 17）は、アメリカ合衆国が打ち上げた人工衛星であり、アトモスフィア・エクスプローラー（Atmosphere Explorers）計画の最初の機体です。別名としてAtmosphere Explorer-A、AE-A、S6とも呼ばれています。1963年4月3日にデルタBロケットによって、ケープカナベラル空軍基地のLC-17B発射台から打ち上げられました。

この衛星の主な目的は、地球の上層大気の研究でした。特に、大気密度や組成などの詳細なデータを取得することに焦点が当てられました。エクスプローラー17号は、直径0.95メートルの球形をしており、観測機器への影響を最小限に抑えるため、内部は真空に密閉されていました。

搭載された観測機器は、大気密度の測定に特化していました。具体的には、以下の機器が搭載されています。

4つの圧力計: 全体の中性粒子の密度を測定するために用いられました。
2つの質量分析計: 特定の中性粒子の密度を測定するために使用されました。
2つの静電探針: イオン密度と電子温度を測定するために搭載されました。

打ち上げ後、エクスプローラー17号は順調に観測データを送信し始めましたが、1963年6月10日にはバッテリーの電力が低下し始めました。しかし、4つの圧力計のうち3つと、2つの静電探針は正常に作動を続けました。一方で、質量分析計の1つは正常に作動せず、他の機器も断続的に作動しました。

エクスプローラー17号の最大の成果は、科学者が初めて特定時点の大気密度を直接測定することに成功した点です。これにより、人工衛星の軌道摂動から推定される密度との比較検証が可能になり、より正確な大気モデルの構築に貢献しました。これらの観測データは、上層大気の構造とダイナミクスを理解する上で非常に重要な役割を果たしました。

この衛星の成功を受けて、アメリカは後にエクスプローラー32号（AE-B）、エクスプローラー51号（AE-C）、エクスプローラー54号（AE-D）、エクスプローラー55号（AE-E）といった後続の衛星を打ち上げ、さらなる大気研究を進めました。

関連情報として、以下の参考文献や外部リンクも参考にしてください。

参考文献
エクスプローラー32号（AE-B）
エクスプローラー51号（AE-C）
エクスプローラー54号（AE-D）
エクスプローラー55号（AE-E）

外部リンク
NASA's Explorer Missions
Gunter's Space Page - information on Explorer 17
Space History Notes

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