エコーはがき

エコーはがきとは

エコーはがきは、日本[[郵便]]がかつて発行していた、広告付きの通常はがきです。はがきの下部に広告が掲載されており、その分、通常のはがきよりも安く購入できました。広告主にとっては、自社の商品やサービスを宣伝する機会となり、利用者にとっては、はがきを安く利用できるというメリットがありました。

エコーはがきの概要

エコーはがきは、通常はがきの下部3分の1のスペースに広告が掲載されています。広告掲載の対価として、はがきは通常価格より5円安い価格で販売されました。例えば、通常はがきが63円の時、エコーはがきは58円で販売されていました。また、環境保護への寄付金が付いた「グリーンエコー」という種類もあり、こちらは3円の寄付金が上乗せされていました。

「エコー」という名前には、広告が山びこのように送り手と受け手の両方に伝わるという意味や、価格が安いことからエコノミー（経済的）という意味合いが込められています。

エコーはがきは、広告主が決まってから発行されるため、地域や数量が限定されることがありました。そのため、発売日に品切れになることが多く、いつでも郵便局で購入できるとは限りませんでした。特に、懸賞応募や番組への投稿など、大量に利用するヘビーユーザーや、収集家による購入も多かったため、入手が困難になることもありました。

エコーはがきの利用条件

エコーはがきは、通常はがきだけでなく、お年玉付き年賀はがき、夏のおたより郵便はがきなどのくじ付きはがきでも発行されました。

発行枚数は、全国版の場合700万枚以上、複数の都道府県にまたがる準全国版は300万枚以上、都道府県単位の地方版は5万枚以上から受け付けられました。ただし、くじ付きはがきの場合は、それぞれ2000万枚以上、700万枚以上、100万枚以上と、より多くの枚数が設定されていました。

広告スペースは、はがきの下部3分の1以内と定められていました。くじ付きはがきの場合は、くじの部分を含めて3分の1以内とされていました。

初期には、東京証券取引所一部上場企業のような大手企業が全国版の広告主になることが多かったのですが、1990年代のバブル崩壊後は、広告主の所在地周辺地域での地方版が主流となりました。特に地方版は最小ロットが5万枚と少ないため、入手難易度が高まりました。沖縄県では2004年度と2005年度には全く発売されませんでした。

広告主は、地方自治体や郵便貯金、簡易保険といった国営時代の関連企業、私立大学、公益法人、地域の中小企業などが多く、大手企業では東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドが、施設周辺の市町村で5万枚を販売した事例があります。

エコーはがきの歴史

1981年7月7日：全国版2種が初めて発売されました。当初は「広告つき葉書」として販売されていました。
その後、愛称を公募し、「エコーはがき」という名称に決定しました。
1981年10月1日：地方版の発行が開始されました。
1988年4月：地方版の報道発表が郵政本省から各地方郵政局へ移行しました。
1988年11月：地方版の最小ロットが10万枚から5万枚に変更されました。
1992年9月：グリーンエコーの発行が開始されました。
2017年6月1日：通常はがきの価格改定に伴い、エコーはがきの価格も47円から57円へ値上げされました。
2019年10月1日：消費税率の引き上げに伴い、通常はがきが62円から63円に値上げされ、エコーはがきも57円から58円に値上げされました。
2023年12月29日：エコーはがき（通常はがき）の新規受付を終了しました。
2024年9月30日：エコーはがき（通常はがき）の販売を終了しました。

エコーはがきの関連情報

エコーはがきは、ハガキ職人と呼ばれる人々に愛用されました。彼らは、懸賞への応募やラジオ番組への投稿など、大量のハガキを使う際に、少しでも安く購入できるエコーはがきを重宝しました。

詳細は日本[[郵便]]の公式サイト「エコーはがき（法人様向け）」で確認できます。

エコーはがきの終焉

2023年12月29日をもって、エコーはがき（通常はがき）の新規受付が終了し、2024年9月30日には販売も終了しました。長年親しまれてきたエコーはがきは、その歴史に幕を閉じました。

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