エジプト第22王朝

エジプト第22王朝について

エジプト第22王朝（紀元前945年 - 紀元前715年）は、古代エジプトの歴史において重要な役割を果たした王朝であり、リビア人の傭兵出身のシェションク1世によって創設されました。マネトの記録には、この王朝を「9人のブバスティスの王」と呼ばれることが示されており、ブバスティス朝とも称されます。この王朝の中心地は、下エジプトのタニスであり、メンフィスにも都市の拠点がありました。

シェションク1世とエジプトの再統一

シェションク1世は、リビア人の傭兵としてエジプトで居住地を与えられた一族の出身であり、彼の治世によりエジプトを再統一することに成功しました。彼はプスセンネス2世の娘であるマートカラーを妻に迎え、軍司令官としての地位を得ていました。彼が王位を獲得した経緯については多くの記録が残されていませんが、政治家としての才能と軍事力を駆使し、アメン大司祭国家とも良好な関係を築いた結果、エジプトを統一したことが評価されています。

シェションク1世は、彼の治世を通じてパレスチナ方面への軍事活動においても名を馳せました。特に旧約聖書にもあるエジプト王シシャクの遠征が、シェションク1世の記録によって裏付けられています。彼はユダ王国を攻撃し、エルサレムに迫った際には、ユダ王レハブアムに多くの財宝を献上させることで、エルサレムを破壊から救いました。

王位継承の混乱と南北の対立

シェションク1世の死後、オソルコン1世が王位を継承しましたが、その後の王朝には様々な対立と混乱が生じました。オソルコン1世はアメン大司祭職を息子に渡そうとしましたが、その後息子が相次いで死去し、王位の継承問題がこじれました。特に、ハルシエセという大司祭は、テーベを拠点に独立した地位を主張し、オソルコン2世との間に権力争いが続きました。

この時期、エジプト国内ではアッシリアの侵攻もあったため、オソルコン2世は連合軍に参加しようとしたものの、主導権を握ることはできませんでした。その後、エジプト内での反乱が続き、特にハルシエセの名のもとに騒動が起こりました。

テーベの動乱と外部からの脅威

紀元前850年頃、タニスのオソルコン2世が死去した後、タケロト2世が王位を継承するはずでしたが、シェションク3世が即位し、混乱が続きました。テーベ周辺においては実質的に独立した国のように機能する状況が続きました。

この混乱の中で、ヌビアからの侵入が始まります。彼らの王ピアンキはエジプトの支配を狙い、タニスのオソルコン4世などと連合を組んで迎え撃ちましたが、次々と敗北を喫しました。結局、エジプトの支配権はヌビアの統治下に入ることになります。

歴代王とその影響

第22王朝の歴代王は、シェションク1世からオソルコン4世まで続きますが、各王の治世においては政治的な混乱や内紛、外敵の侵入が絡んだ複雑な状況が続きました。最終的には、エジプトが再び分裂する時代へと突入していくこととなります。

このように、エジプト第22王朝は多くの歴史的事件を経て展開し、その後のエジプト史に大きな影響をもたらしました。

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