エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア

エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア

概要

エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア（ポルトガル語: Estádio Nacional de Brasília）は、ブラジルの首都ブラジリアに所在するスタジアムです。この施設は日本語で「国立競技場」と訳され、正式名称は「エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリア・マネ・ガリンシャ」です。1974年3月10日にオープンし、元サッカーブラジル代表の選手であるガリンシャの名にちなんで名付けられました。かつては地元クラブ・ブラジリエンセのホームスタジアムであり、広くブラジル代表の試合にも使用されてきました。

改修と国際イベント

2014年には、FIFAワールドカップと2016年のリオデジャネイロオリンピックの競技場として選ばれ、スタジアムは大規模な改修工事を経て、75,000人収容可能な現代的な施設へと生まれ変わりました。改修工事には4年の歳月がかかり、スタンドの屋根は独特のケーブル膜構造を採用しています。新たに生まれ変わったスタジアムは、2013年5月に竣工し、同月18日には開場記念試合が行われました。また、同年6月にはサッカーコンフェデレーションズカップの会場としても利用され、ブラジルvs日本戦が開幕戦として開催されたことは特筆すべき瞬間です。

ワールドカップ後の課題

しかし、2014年のFIFAワールドカップが終了してから、このスタジアムは思わぬ課題に直面しました。ブラジルの1部リーグの試合は開催されず、地元クラブの試合では入場者数が1万人程度にとどまり、実質的には「開店休業」の状態となっています。スタジアムの維持費は月額で約2300万円に達する見込みで、2015年3月時点ではランニングコストの捻出が極めて困難な状況でした。この困難な状況を打開するために、英メディア『Mail Online』は、スタジアムがバスターミナルとして利用されるようになったと報じています。これにより、世界的なスポーツイベントからわずか1年余りで、バスの停車場としての役割に転換されてしまいました。

結論

エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアは、その壮大さと国際的なイベントでの使用により、ブラジルにおけるサッカー文化の象徴的な存在です。しかし、経済的な課題と維持費の問題が、このスタジアムの未来に影を落としています。今後、この歴史的な施設がどのように利用されていくのか、注目されるところです。

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